「史上最高のスケーターが、氷上で夢のような演技をしてくれた」
「バレエのマイヤ・プリセツカヤの白鳥のようだ」
フィギュアスケートGPシリーズのカナダ大会が開催され、羽生結弦選手のエキジビションの演技が素晴らしいと世界中で大きな評価を得ている。この時、羽生が披露した演技「星降る夜 Notte Stellata(The Swan)」は、浅田真央選手を指導したタラソワコーチから、羽生に贈られたものだという。
「サン・サーンスの『白鳥』にイタリア語の歌詞がついた曲なのですが、4月に行われた世界選手権の際に、タラソワコーチから『ぜひ滑ってほしい曲がある』と声をかけられて、CDが送られてきたそうなんです」(スポーツ紙記者)
タラソワコーチといえば浅田選手の前のコーチで、世界のトップ選手たちを育ててきた名コーチだが、優秀な選手に思いのたけを注ぎ込む指導でも有名だ。さまざまな難しい技や振り付けを実現する浅田選手には思い入れもひとしおで、バンクーバー五輪の「鐘」のレベルの高さと難しさは世界を驚かせた。
「ソチ五輪では白鳥の衣装をプレゼントされるなど浅田選手もかわいがられていましたが、熱心でスケート技術の高い優秀な選手が大好きなんです。スケートのことになると国の境も関係なく、こういう曲を形にしたいと夢中になってしまうのだとか。羽生選手にリクエストしたのも、彼の表現力を評価しているからこそでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
熱心で厳しい指導で知られるタラソワコーチの“スケート愛”で、世界中のファンが至福の時を味わえたのだ。
(芝公子)