延長11回裏、エースの村上頌樹投手がサヨナラタイムリー安打を放つと、球場は歓喜の渦に包まれる。春の選抜高校野球は劇的な幕切れとなった。
「プロ野球開幕もあり、人気校も早々に敗退していったため、それほど注目度の高い大会ではなかった。しかし、それが悔やまれるほど名勝負の連続でした。優勝した奈良県の智弁学園は初の決勝進出、野球では常に和歌山に先を行かれていた、“じゃないほう”の智弁。高松商も55年ぶりの決勝戦ということで渋い組み合わせでしたが、どちらも投手が粘投、バックも好守の連続で本当に見応えがあった。サヨナラの場面も高松商の外野からの中継プレーは完璧で、間一髪のホームインでしたからね。歓喜の智弁ナインを見守る高松商のバッテリーが“やり切った”という顔で笑顔を見せていたのも清々しかった」(週刊誌記者)
ところが、そんな名勝負を目のあたりにした視聴者たちから、再びバッシングの的にされている人物がいるという。先日の大相撲春場所を制した、横綱・白鵬だ。
「千秋楽の立ち合いの変化はガッカリしたけど、ルール違反ではないからあまり批判するのは気の毒だと思っていた。でも甲子園の優勝戦を観て白鵬に何が足りなかったかわかった」「高校生のほうががっぷり四つじゃないか!」「観客の興奮とシラケっぷり、この違いが白鵬にわかるだろうか」「勝てばいいってもんじゃないことを改めて教えられた」など、千秋楽にまさかの変化で観客を失望させた白鵬がやり玉にあげられているのだ。
「NHKで昼間の中継ですから、相撲と高校野球の視聴者は意外とかぶっています。比較されているのを聞いて、なるほどと思いました。種目も違いますしプロとアマですから同じには語れませんが、やはりスポーツで人を感動させるには“ひたむきさ”が必要ということでしょう」(テレビ誌編集者)
白鵬には高校球児たちを見習って、来場所は「名勝負」を見せてもらいたいものだ。
(三崎康太)