今週は牝馬クラシック第1弾「桜花賞」が阪神で行われる。注目は2歳女王メジャーエンブレムの2冠なるかだが、昨年は単勝1.6倍のルージュバックを含む上位人気4頭が馬券圏外に。今年も波乱の可能性は十分ある。
桜の花が咲き、花粉症の症状がやわらいできた今日この頃。待ってましたとばかりのクラシック第1弾、桜花賞が今週のメインとして行われる。
今年の焦点はというと、2歳女王で最有力候補のメジャーエンブレムが下馬評どおり女王の冠を頂くことができるか、だろう。
とにかく、今回と同じ舞台で争われた2歳女王決定戦である阪神JFを完勝。続く前走のクイーンCでは他馬を寄せつけぬ圧勝劇を演じてみせたのだから、これはもう、よほどのことがないかぎり、女王の座に就くのは間違いないと見られて当然か。
そのよほどのこととは、調子に問題があるとか、レース中のアクシデントだが、前走後は短期放牧でリフレッシュ。帰厩後はたっぷりと乗り込まれ、1週前の追い切りの動きも言うことなく、万全と言っていい臨戦態勢を敷いている。
アクシデントとなると、これはもう想像するだけ。スタートよくハナを奪えるスピードの持ち主だが、行く馬がいれば2、3番手に控えてもスムーズに折り合える馬。欠点と言える欠点がないだけに、つけいる隙は、まずないと見られている。脚質上、阪神は合っていると言えるだけに、馬券的には“2着探し”のレースと決めつける向きもあるだろう。
なるほど、過去を振りってみると本命サイドの堅いGIと言えなくもない。馬単が導入された03年以降、これまで馬単で万馬券になったのは2回(馬連は1回)。この間、1番人気は4勝(2着2回)、2番人気も4勝(同3回)で、1、2番人気のワンツーも4回を数える。そして、この13年間で関東馬が優勝したのは4回。ダンスインザダーク(04年)、キストゥヘヴン(06年)、アパパネ(10年)、アユサン(13年)がそれだが、関東馬のメジャーエンブレムを冷静に見て、この4頭に何らヒケは取らないと思える。
ならばやはり2着探しの一戦と見なすべきなのか。が、穴党としては承服するわけにはいかない。いざ本番ともなると、メジャーエンブレムに絡んでいく馬は少なくないはずだ。
逃げてこそ活路が開けるビービーバーレルは、フェアリーSの時のように何としてもハナを奪いたいはずだ。アッラサルーテ、キャンディバローズ、ソルヴェイグなども前々での競馬が理想。エンブレムにとっては、これまで経験したことがない厳しい競馬になることは間違いあるまい。
流れが速くなればしまいにかける末脚自慢の出番である。エンブレムの唯一の敗戦はアルテミスSの2着。この際、豪快な追い込みを決めて勝利をモノにしたのが、デンコウアンジュだ。当方としては、この馬の破壊力、ここぞの一発に期待を寄せてみたい。
アルテミスSは、関東への初めての長距離輸送の影響で前走比18キロの体重減。それでも後方から一気に差し切ってみせたのだから恐れ入るが、続く阪神JFでは、その反動がモロに出た。パドックでは落ち着きを欠き、発汗が見られる状態。折り合いを欠いたのはそのためだが、それでも見せ場は作ってくれた。
前走のチューリップ賞は、休み明けで余裕残しの仕上がり。にもかかわらず勝ち馬とはコンマ3秒差。力があればこそだ。アルテミスSの勝利は、フロックでも何でもない。
使われて一変。1週前の追い切りはリズミカルな動きで文句なしだった。
「落ち着き払って好気配。これまでで最もいい状態で臨めそう」と、荒川調教師はじめ、厩舎スタッフが口をそろえて仕上がりのよさを強調する。
一族にフジノパーシア(天皇賞・秋、宝塚記念)、スリージャイアンツ(天皇賞・秋)がおり、マリエンバード(凱旋門賞)×サンデーサイレンスの母系の配合が魅力の馬。道悪にならないかぎり、大きく狙ってみたい。