4月に入り、各所で初々しい新入社員たちが新風を起こしていることだろう。世間がフレッシュなメンバーを迎え入れるこの季節に、あらためてアイドルたちの「衝撃すぎたデビューの瞬間」を振り返りたい。
世間から大きな注目を浴びるトップアイドルの中でも、広末涼子のインパクトは別格だった。CMやドラマ、映画、歌と、あらゆるジャンルでヒットを記録したその様子は「ヒロスエ現象」とまで言われた。最盛期には「ドコモのポケベル」といった立て看板にすら数万円の価値が付いたほど。
そんな「金の卵」を探すために、全国を歩いて尋ね回るという泥臭い方法が功を奏したこともある。全国3000校もの中学・高校の門前で「近くに可愛い子いない?」との出口調査を敢行した中で、誰もが口を揃えてその名前をあげたのが愛知県瀬戸市の中学生・瀬戸朝香だった。中学卒業と共に上京し、瞬く間に人気を博したのはご存知の通りだ。
そうやって見つけたアイドル候補生を売り出すために、大掛かりな仕掛けを打つ例は枚挙にいとまがない。その成功例と言えるのが、タレントの名前を冠した雑誌まで創刊した菊池桃子。83年11月創刊の「Momoco」は、まさに菊池を売り出す戦略の一環であり、しかも同誌からはその後も何人もの逸材が輩出された。
一方で、多額のコストを掛けて売り出しを図りながら、思い通りの結果が得られなかったケースも。メディア戦略に40億円を費やした3人組アイドルの少女隊や、同じく40億円をかけて主演映画や主演ドラマまで制作したものの、活動末期には地方の小さなライブハウスに出演していたセイントフォーは、費用対効果の面では失敗だったと言わざるを得ないだろう。
4月4日発売の「アサ芸シークレットVol.39」では、彼女たちを含めた全30組の“華々しいデビューの瞬間”を紹介。斉藤由貴やおニャン子クラブ、岩井小百合といった懐かしい名前や、優香や井川遥など現在も活躍を続けるアイドルたちの鮮烈デビューに、今一度思いを馳せてみるのも楽しいかもしれない。
(金田麻有)