映画「暗殺教室~卒業編~」が2週連続で興行成績のトップに立ち、今年の作品で最速となる累計動員数200万人を突破した。前編にあたる昨年公開の「暗殺教室」は27億円超の興行収益を記録しており、今作も公開2週目にして早くも20億円に届く勢いだ。そんな「暗殺教室」に対して、オヤジ世代からは否定的な声があがっているというのである。映画ライターが教えてくれた。
「少年ジャンプ連載の人気マンガを原作とする本作品は、主役が地球破壊をもくろむ謎の生物・殺せんせー。そのニコちゃんマークのような顔やタコさながらの触手を持つ生物が高校の先生をやっているという設定からして、オヤジ世代には理解不可能なんでしょう。しかも、アニメ映画ではなく実写ものですから、『なんでこんなものを喜んで観るのかわからん』という声も少なくないのです」
だが、そんな愚痴は観客の多くを占める学生たちには無用だ。彼らの口からは「菅田くんと結婚したくなった」「面白くてあっという間」「ニノの演技力が圧倒的」といった称賛が続出。なかには「興味なかったけど観てみたら面白かった」という声もあり、原作ファン以外の観客も取りこめているのである。その理由を映画ライターはこう推測する。
「ストーリーは突飛かもしれませんが、演技力ある若手をゼイタクなほど集めたところに、制作側の本気度が表れています。Hey!Say!JUMPの山田涼介やau三太郎のCMでもおなじみの菅田将暉をはじめ、JRスキーのCMで注目度上昇中の山本舞香、スウィートパワーの次世代エース竹富聖花、千年に一人の美少女こと橋本環奈など、特定の事務所に偏らないキャスティングは大事なポイント。しかも、殺せんせーの声を担当する嵐・二宮和也が死神というキャラクターでも出演しており、その高い演技力で作品を締めています。若い観客たちは彼らの演技を堪能しており、まさに時代に沿った作品だと言えるでしょう」
どんな分野でも“同時代性”が持つ魅力は大きく、この「暗殺教室」では旬のキャストによる現在進行形の物語を楽しめるというわけだ。若者の心理を知りたいオヤジ世代はせめて、出演者の顔と名前を一致させるくらいの努力はしたほうがいいかもしれない。
(金田麻有)