芸能

伝説のGメン・小林潔氏が清原和博に激烈メッセージ(2)必ずや再起を果たせると…

20160526g

 薬物の中毒症状が進むと男はまず、女房の男性関係を疑い、疑心暗鬼になって「(薬物をやっていることを)警察に売ったろう」と責め立てる。

 かつて神奈川・湯河原の売人を逮捕した時のこと。その男は妻を疑い、外に出られないよう丸坊主にしてしまったことがあった。逮捕された男は護送中、道端の電信柱が警察官に見えたのか、「警察官だ、警察官が追ってくる!」と絶叫していた。

 君がそこまで常軌を逸していたという話は聞かなかったが、一昨年、病院へ取材に来た週刊誌記者のICレコーダーをへし折り、暴行を働いた。ロレツが回らず、ヨダレを垂らす姿はまさにシャブ中であることを物語っている。私が現役の取締官なら、すぐに捜査に着手していたろう。

 君が逮捕される前に身柄拘束された歌手のASKAは重度の症状で、現在、千葉市内の病院の隔離病棟に入院中といわれる。何十年と覚醒剤をやってきた報いだが、君も巨人時代から覚醒剤に手を染めていたと、関係者が証言している。

 私が我慢ならないのは、球団の責任者がこの件について何ら発言していないことだ。渡辺恒雄氏は支配下選手が野球賭博に関わった責任を取って最高顧問を辞任したが、かつての最高責任者として、この事件をどう思うのか。是非、コメントを聞きたいものだ。

 かつて、渡辺氏は清原君について、こんな発言をしていた。

「(清原は)能力がない。邪魔をしなければそれでいい」

 この言葉がどれほど君を追い詰めていったか、想像に難くない。

 さて、君のことばかり、あげつらってきたが、実はかくいう私も、長い間の不規則な生活や過食、飲酒の習慣がたたり、定年間際になって糖尿病の疑いがあると診断された。検査入院の結果、正真正銘の糖尿病であることが分かった。

 麻薬取締官が酒と美食の誘惑に負けて、血糖値をコントロールできないでどうするのか。以来、私は病院で教えてもらった食事を12年間、自分で朝昼晩の3食を作り、口にしている。そのせいか、空腹時血糖値、ヘモグロビンA1Cはまったく健常者と変わらない。

 清原君、君も重度の糖尿病を患っているんだったね。糖尿病患者が美食に明け暮れ、酒に逃げてどうする。それこそ、自殺行為ではないか。

 ついでに言えば、私はタバコを1日に3箱も吸う折り紙付きのヘビースモーカーだった。しかしそれも、今はやめてしまった。

 現役時代は、思索する時、タバコをくゆらせて考えをめぐらしていたが、やめてからもタバコとライターをあえて机の引き出しに残したまま。時折、引き出しを開けては、往時をしのんでいる。といって、タバコを吸いたいと思うことはない。

 清原君、大麻は薬効が弱いが、長くやって深みにハマる。覚醒剤は一気にやって、一気にハマる。

 ちなみにいうと、(覚醒剤中毒を)克服したと思っていても、後ろから「オイ!」と肩を叩かれただけで、その拍子にフラッシュバックすることもある。

 統計に従うなら、50歳に手が届きそうな君が立ち直れる確率は低いことになるが、それはあくまで統計上のこと。プロ野球であれだけのことができた君のことだ。私は必ずや、君が再起を果たせると信じている。

 さて、これを書いている時点で、17日の初公判では「ハマの大魔神」こと佐々木主浩氏が情状証人として出廷するとのニュースが流れている。まずは信頼できるアドバイザーをつけ、心が折れそうになった時、相談することだ。

 闘いは始まったばかり。しかも、終わりがない己との闘いなのだ。

 不躾なことばかり書いてきたが、気を悪くしないでほしい。世の中には私のようにお節介なファンもいることを分かってほしい。

 では、君の再起を祈りつつ、筆を置くことにする。

厚労省関東信越厚生局麻薬取締部 元捜査第一課長

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