中国の富裕層に人気がある日本人女性もシノギのネタだ。あっち系の女優やモデルの卵を起用した「肉弾接待」が花盛りだという。
「要は来日する中国人セレブにそうした女優を斡旋する仕事。都市伝説などではなく、現実にあります。以前は俺もやっていましたけど、誰もそれ自体がビジネスとは考えていません」(趙氏)
ある程度名が知れた有名女優ならば、一晩で手にするギャラの相場は20万円だというが、
「日本の女の子やブローカーはカネを手にして喜びますが、俺たちの目的は違う。大陸にいる金持ちとの絆を深めるためにやっていました。彼らに日本の“特産品”であるAV女優を貢ぐことで人脈を開拓して、大陸でのビジネスチャンスにつなげるのが狙いなんです」(前出・趙氏)
日本の違法風俗の現場でも中国マフィアが暗躍している。趙氏は大阪のある地域を例にあげて、こう明かすのだ。
「ほんの数年前まではさびれたシャッター街でしたが、今や100軒以上の中国系ガールズバーが立ち並んでいます。これは、中国のある“ファミリー”が、空き店舗の権利を現ナマでまとめて買いあさり、在日中国人向けの新聞などに広告を打って、オーナーを募った結果です。出店希望者に開業資金を貸しつけることもあったようです」
こう聞くと真っ当な不動産ビジネスに見えるが、店舗の営業形態はきわめてクロに近いという。
「そこで働く中国人ホステスの大半は留学生で、資格外活動許可を得ていない不法就労者ですよ。中には堂々と店内で売春を斡旋する店もあって、そうした違法店のケツを持つのも中国の一家。家賃に上乗せする形で、ミカジメを徴収しているという話です」(前出・趙氏)
中国人女性の不法就労と聞いて思い起こすのが、かつて横行していた「偽装結婚」だ。高額な報酬につられ、犯罪の片棒を担ぐ日本人男性があとを絶たなかった。
「今でも多少のニーズはあるようです」
とは関西在住のジャーナリスト。続けて驚きの国際結婚事情の内幕を明かす。
「ある行政書士の事務所は、『1週間以内に結婚相手を見つける』というフレコミで、中国人女性の間でも話題になっていました。偽装結婚の報酬として年間100万円以上受け取っていた日本人男性を取材したことがありますが、今ではせいぜい20万円程度。入国管理局の監視が厳しいため、一つ屋根の下で暮らすものの、セックスはNGで生殺し状態。バックにいるマフィアが怖くて離婚もできないそうです」
最後に、趙氏は気になることをつぶやいた。
「ヤクザの抗争で今後、音が鳴る(発砲事件が起きる)としたら、実行部隊は中国人かもしれません」
重大犯罪の厳罰化で身動きが取れなくなった暴力団員に代わって、中国マフィアのメンバーがヤクザの「暴力装置」として機能するはずだと趙氏は推測する。
「ヤクザ組織と水面下で“人材交流”を進めているマフィアグループはかなりの数に上る。彼らにしても、ただ利用されるだけではない。この機に乗じて、裏社会の利権に食い込もうと必死なんですよ」
水面下で爆増の兆しを見せる中国人犯罪。今後はさらなる警戒が必要のようだ。