中日の守護神ライデル・マルティネスの争奪戦が激しさを増している。11月17日に行われた「WBSCプレミア12大会1次ラウンド」のキューバ戦では登板機会がなかったものの、
「ビハインド状態で9回の攻撃を迎えた場合、マルティネスが出てくるのは必至。その時のうまい方略法が思いつかず、リードした状態で9回の攻防を迎えるしかなかった」
と言って侍ジャパン関係者は、マルティネスの凄さを認めていたのである。
そんな絶対的守護神には、中日の慰留交渉はもちろんだが、ソフトバンクとDeNAが獲得を狙っている。
「DeNAは、昨年の今永昇太のメジャー譲渡金約14億3000万円を獲得資金に充てる、との一報が出ました」(スポーツ紙記者)
マネー戦争となるのは避けられないようだ。
ただ「プレミア12」大会では、慰留に失敗した場合の、中日の新継投策が見えてきた。有事の際は、11月13日のオーストラリア戦で「守護神デビュー」した清水達也を「ポスト・マルティネス」としてテストしてもいいのではないか、と。
「オーストラリア戦では先頭打者をフォークボールで三振に仕留めました。その後に出てきた打者はフォークを意識させられ、ストレートを見送ってしまうなど、翻弄されています」(前出・スポーツ紙記者)
侍ジャパンがマルティネス登板に怯えたキューバ戦でも、清水は登板している。一塁への悪送球で同点に追いつかれてしまったが、後続を抑えた。ミスはいただけないが、ピンチで崩れなかったことで、メンタル的な強さを認める声があったのだ。
「直球に力があって、対戦した打者から『捉えたと思っても凡フライになった』との感想を聞いたことがあります。中日はマルティネスの慰留を今オフの最優先事項としており、引き止めたい一心からか、有事になった場合の対策が何も聞こえてこない。仮にマルティネスが移籍することになり、それから新外国人投手を見つけようとして、も間に合いません」(前出・スポーツ紙記者)
清水が新生・井上ドラゴンズのキーマンになるかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)