井端弘和監督率いる侍ジャパンがキューバとの激闘を制し、「プレミア12」決勝ラウンド進出を決めた。台湾・台北市の天母野球場で行われた試合は、7回まで6-6の均衡が続いたが、8回にソフトバンクの栗原陵矢が一死一・三塁でレフトへの犠牲フライを放ち、逆転。これが決勝打となり、日本は4連勝で予選1位だった。
ドミニカ共和国、韓国に連敗したキューバ相手に、当初は楽勝ムードが漂っていたのだが、終わってみればまさかの辛勝だった。
ここでクローズアップされたのが、休養日でキューバを欠場した広島・坂倉将吾だった。スタメン捕手として、ロッテの佐藤都志也が代わりに先発出場したのだが、騒がれる理由は「四死球」にあった。
実はキューバ戦前まで、坂倉が捕手として出場した3試合で、与えた四死球はわずか2。ところが佐藤に変わった途端、7回の投球で7四死球だった。これでは苦戦するのは当然だろう。
これで坂倉の株は上がり、コアなプロ野球ファンはSNSなどで、具体的な指摘とともに、絶賛しているのだ。
〈一発勝負の試合でガンガン振ってくる相手に、直球、スプリットの制球不安定な高橋宏斗、中継ぎ慣れしてない隅田知一郎に対してよくやった〉
〈経験の浅い投手がなるべく四球出さないように配球に気を配ってた。坂倉にはMVPをあげてもいい〉
野球評論家の上原浩治氏も、称賛を惜しまない。11月17日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)に出演すると、きっぱりと言い切ったのである。
MC膳場貴子「普段、一緒にやっていないピッチャーとキャッチャーの連携がポイントとおっしゃっていましたが、なんだかいい感じですよね」
上原「何も不安はないです。ホントに坂倉選手が素晴らしいリードをしてくれてると思っています」
「プレミア12」では、坂倉や小園海斗の登場時に、広島名物の「スクワット応援」が行われ、台湾メディアに取り上げられるなど、大盛り上がりしている。坂倉はここまで打率4割4分4厘、OPS 1.028の成績で、チームの躍進に大きく貢献している。決勝ラウンドでは盤石なリードに加え、打撃にもさらなる期待がかかる。
(ケン高田)