肉などの動物性たんぱく質についても、ハムやベーコン、ソーセージといった加工肉やひき肉など、控えたほうがいいものもある。
「これらはつなぎに糖質や脂質が使われているため、いいたんぱく源とは言えませんし、添加物も多い。ソーセージを食べるのなら、むしろ肉の塊をそのまま食べるほうがいいですね」
オススメなのは、ビールとの相性がいいチーズやナッツだという。
「チーズは栄養価が高く、血糖値の上昇が緩やかな食品。ナッツにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルのほか、抗酸化力の強いビタミンEや食物繊維などが豊富に含まれています。しかも、シメにナッツを食べれば、満足感が味わえるはず。ぜひ試してみてください」
こうした栄養価が高くて少量でも満足感が得られるつまみを選択し、食欲をうまくコントロールすることも、ビールを飲みながらダイエットを成功させるコツなのだ。
ここで非常に悩ましい問題がある。たらふくビールを飲んだあとで、時にどうしても食べたくなる、シメのナッツやチーズならぬ、「シメのラーメン」である。
「はっきり言えば、絶対にやらないほうがいい。でもやってしまったら、まずはとにかく歩くこと。ラーメン1杯に含まれる糖質は65〜80グラムで、決して少ない量ではありません」
これは先に安中氏が説明したように、ビールのロング缶5本分以上。
「なので、すぐに体を動かすことで多少は血糖値の上昇を抑えることができます。できれば2〜3駅分、30分程度を速足でウオーキングする。シメのラーメンの代償は大きいということです(笑)」
そのうえ、翌日からビールを1本やめて主食を一口残す。それでもしこたま飲んだあとに食べたラーメン1杯分の糖質、つまり、アルコールとラーメンの合算糖質量を消費するには、3日程度かかるという。
「人間ですから時にはハメを外したい時もあるはずです。結局、我慢のダイエットは長続きしません。全ての食べ物にはいい面と悪い面があり、食べ方や量によって毒にも薬にもなります。ビールにしても、おつまみをくふうし、飲み方に気をつければ、決して肥満になる飲み物ではないということです。ダイエットの基本は『体をだましだまし、ゆっくり』。少しずつ帳尻を合わせていくこと。それが生涯ベスト体重を維持していく最大のポイントです」
我慢しないでビールを飲み、理にかなったつまみを食べて腹も出ないどころかダイエットにまでなる。さぁ、やせたい人は夏に向けてビールを上手に飲もう。