EXILEのTETSUYAが「ダンスをオリンピック・パラリンピック種目にしたい」との野望を口にした。これはTETSUYAが6月4日、自身が監修したダンスフィットネスの教室にて口にしたもの。TETSUYAはダンスフィットネスの普及を、五輪種目化に向けた最初のステップと捉えているとのことだ。だが五輪事情に詳しいスポーツライターは、TETSUYAの主張に首を傾げる。
「この発言を聞く限り、東京五輪の追加種目でダンスが落選したことを彼は知らないのかもしれません。五輪の競技となるためには国際競技連盟の管轄下で運営されている必要があり、ダンスでは世界ダンススポーツ連盟(WDSF)が該当します。同連盟が管轄するのは競技ダンスであり、EXILEらが得意とするヒップホップなどは含まれていないのです」
国内ではWDSF傘下の日本ダンススポーツ連盟が日本オリンピック委員会に加盟している。同連盟とEXILEには何の関係もなく、TETSUYAがどう頑張ったところで、ダンスの五輪種目化においては蚊帳の外というわけだ。
その一方で、東京五輪の組織委員会に助言を行う「文化・教育委員会」には、EXILEが所属するLDHの社長・HIROも名を連ねている。となればTETSUYAの立場からも、五輪種目化に声をあげられる可能性があるのだろうか?
「それは無理ですね。そもそも東京五輪の専門委員会にはアスリート委員会もあり、HIROがそちらではなく文化・教育委員に任命されたことは、EXILEのダンスがスポーツではなく文化の一つとみなされている証拠です。それ自体は立派なことだと思いますが、TETSUYAの五輪発言が的外れであることに違いはありません」
ダンスの五輪種目化を推進するには、若者たちに競技ダンスを広めたいところだ。しかしそれは、ヒップホップ系のダンススクールを運営するLDHにとって、自分の首を絞めることでもある。もしかしたら今ごろ、HIROはTETSUYAに対して「そうじゃないんだよ」と説教しているかもしれない。
(金田麻有)