三原議員は「子宮頸がんワクチンの無料化」を公約に初当選を果たした。公約実現後、接種者から副作用の訴えが相次いで起きる。
「三原さんはワクチンによる被害者の救済を、第一の公約に掲げてほしい」
そう憤るのは、子宮頸がんワクチン被害者連絡会・神奈川県支部代表の山田真美子氏だ。10代で摂取することでがんの効果的な予防が見込めるという、このワクチンを山田氏の娘も接種した。だが、副作用の症状が出たのだ。
「三原さんが最初に推進したワクチンですから、問題解決のために協力してほしい。演説に来られた三原さんを直撃して何度も伝えているんですが、その場で『わかりました』と言っても、そのあとにちゃんとした話し合いの場を持ってくれたことはないんです。事務所に問い合わせても、『忙しくて返事ができない』『いつならできるのかもわからない』と言われて‥‥。困難から逃げてばかりの態度はすごく不誠実、政治家としてまったく信頼を置けません」
ちなみに三原議員の今回の街頭演説では、ワクチンの「ワ」の字も出ていない。
6月22日、東京・有楽町マリオン前。自民党から初出馬する今井絵理子氏(32)の「出陣式」に人が集まっていた。国民的アイドルグループ「SPEED」の元メンバーは演説前に“握手会”で、手と一緒に聴衆の心もがっちり。そして「今井劇場」が始まった。
聴覚障害の息子を持つ今井氏は、手話付きで演説をするのだが、やたらとうまい。タレント出身の先輩・丸川珠代参議院議員、三原議員らの初出馬と比べると圧勝である。「歌を歌ってきた私の子供が聴覚障害であったこと」を語りかけ、「政治は希望です」と目を潤ませれば、応援に駆けつけたベテラン議員も目頭を押さえるほど。「今井絵理子ショー」は約15分続いた。
息子の父親は07年に離婚した、バンド・175RのSHOGOだ。08年「24時間テレビ」(日本テレビ系)で、今井氏が息子の障害を告白した際、公式HPに「残念で仕方なく裏切られた想い」とコメントした。告白どころか、政治利用をしているのでは…? HPを通して、取材を申し込んだが、回答はもらえなかった。
出馬発表後には「現在の内縁の夫」が児童福祉法・風営法違反での逮捕歴があったことが明るみに。永田町関係者が明かす。
「公認取り消しなんて検討されてない(笑)。『身体検査が少し甘かったか』という声が聞こえてきた程度です。『SPEEDは知っていても、今井絵理子という個人名はそこまで知られていない。だから大勢に影響はない』という判断だ」
政権与党の公認候補選出の基準は案外、緩い。それ以上にセンセーたちは世間に疎いようである。