7月10日の投開票を控え、白熱する参院選。暗躍するのが票を読み、対立候補の醜聞を集める各政党の通称「ウラ選対」だ。今回も「スネに傷あるいいオンナ」候補が、過去のドラマを封印して「票獲り」に走る。「ウラ選対」が直接舐め回した、未来のセンセーたちの一挙手一投足を報告する!
「蓮舫を圧倒的に勝たせて!」
6月22日、午後6時半頃。若者が行き交い、交通整理の警察官も出動した東京・表参道で、こう「一番」への野望を“おねだり”したのは民進党・蓮舫代表代行(48)だ。参院選公示直前まで、都知事選か参院選か出馬が定まらなかった。知事当確と言われながら、国政を選んだ経緯について永田町関係者が明かす。
「党も本人も最初っから知事を狙っていない。参院選公示日の2週間前には、党全体が『出ない』方針で固まっていた。今の都議会は自・公が圧倒的に強く、知事になっても議会対策に追われて都政どころじゃない状況。また、今の国政は子育て支援などの『女性政策』が話題になることが多い」
民進党もそこを意識して、山尾志桜里衆議院議員(41)を政調会長に抜擢するなど、女性向けアピールに余念がない。蓮舫議員は女性初の総理候補も狙える器と、党幹部らが考える最重要人物である。政治評論家の浅川博忠氏が解説する。
「民進党は現状、単なる『批判政党』。政権の経済政策や憲法改正案を批判しても、その対案を用意できていない。菅・鳩山時代の民主党政権の『負のイメージ』はいまだ国民に残り、本人たちも『参院選は自民有利』の意識は当然持っているでしょう。代表代行の蓮舫さんは、全体の集票のために自分の時間を割いてでも、他の候補の応援演説に飛び回るはずです」
ここまで“参院選登板”がハッキリしていながら、なぜ都政への含みを持たせて引っ張ったのか。
「自民党は『蓮舫待ち』の状況で、人選を含めて都知事選対策がなかなか取れなかった。それに、連日の『次の都知事は!?』という報道では蓮舫の話題一色だったでしょ? あれこそ民進党にとって最高の宣伝」(前出・永田町関係者)
前都知事ではないが、党名が変わっても「セコい」策を練っていたようだ。
10年の選挙で、比例当選を果たした自民党・三原じゅん子参議院議員(51)。今回は神奈川選挙区からの出馬だが、この鞍替えがゴタゴタの火種になっている。
「『三原が神奈川の公認候補になる』と、党本部から頭ごなしに決定が降りてきた。もともとの候補予定者が出馬を断念。『自民推薦で出馬する候補者の票を食ってしまうのでは?』という懸念まで広がっている。完全に、招かれざる客なんですよ」(自民党関係者)
川崎・武蔵小杉駅前での街頭演説で声を張り上げる三原議員の横で、応援に来た地元選出の衆議院議員はソッポを向いていた。同県での自民党の地盤の強さを考えると、当選は固い。しかし、県連との遺恨という波乱含みの2期目となりそうだ。