この球界関係者によると、時間があれば社会人、大学の試合観戦に行くのが落合氏の日常だが、チームのスカウトとともに行動することはなく、試合中に座っている場所も別。監督だけでなくスカウトも、誰を指名する計画でいるのかを直前まで知らないという。
落合氏が独断で決めたとしても、結果がよければまだいいが、課題の遊撃、捕手のポジションでは、2年前のドラフトで日本新薬の倉本寿彦(25)を回避し、東京ガスの遠藤一星(27)を指名して失敗。倉本はDeNAで、今季打率3割以上をマークしている(8月18日現在。以下同)。
昨年のドラフトではトヨタ自動車の木下拓哉(24)を3位で指名する一方、DeNAはNTT西日本の戸柱恭孝(26)を4位指名。戸柱は開幕マスクをかぶったが、木下は長らく二軍を脱出できず、一軍出場も4試合にとどまっている。
ドラフトだけでなく、落合氏は補強戦略でも失敗。「ポスト谷繁」の穴を埋めるべく、西武・炭谷銀仁朗(29)のFAでの獲得に動いた。スポーツライターが内幕を解説する。
「元西武の森繁和ヘッドコーチ(61)がパイプ役となって水面下で交渉を進めましたが、『落合独裁』の球団体質が嫌われ、断られてしまった。一説によると、森ヘッドが『うちへ来ないと夜道を歩けなくなるぞ』と脅したことがマイナスに働いたとも言われますが‥‥。楽天の嶋基宏(30)にも触手を伸ばしましたが、同じように拒否された」
外国人補強も、ドミニカに強いルートを持つ森ヘッドと落合氏がタッグを組んで行っている。今季加入したビシエド(27)が4月にブレイクして3割6分以上の打率を記録していたが、夏場に急失速。8月14日に出場選手登録を抹消された。
「自称166キロ右腕のストッパー候補」として獲得したハイメ(29)も、いきなり右肩痛を発症し、一軍登板なし。ジョーダン(29)は先発ローテーションに入って5勝5敗の成績だが、広島のジョンソン(31)や阪神のメッセンジャー(35)のような軸にはなっていない。
誰の目から見ても、ドラフト、FA、新外国人獲得で、編成の責任者として失敗を繰り返しているのだが、不思議なことに、球団は落合氏の責任を追及する気配がないのである。
「落合氏は『ドラフトは間違っていないが、選手が出てこないのは二軍のコーチ、育成が悪いせい』と白井オーナーに報告しているようです。とはいえ、先の炭谷や嶋のように、今やアマチュア野球界では『中日だけには行きたくない』と、12球団で一、二を争う不人気になり、スカウトも困っている」(地元テレビ関係者)
それでも落合氏は「俺が監督なら、この戦力でも十分に勝負できる」と周囲に吹聴しているという。