本来なら下位球団で交代劇が起きてしかるべき首脳陣人事では、最下位独走のオリックス・福良淳一監督(56)がサプライズ留任。パ・リーグ関係者は渋い表情だ。
「元スター選手の田口壮二軍監督(47)に引き継ぐ路線ですが、まだ勝てる戦力が整っていない。外国人6人を総取っ替えするので、来年は未知な要素が多い。まだ田口にやらせるのはかわいそうだというのが、留任の理由なんです」
また、田邉徳雄監督(50)の辞任を受け、「次」がスンナリ決まりそうにないのが、3年連続Bクラスに終わった西武。OBでソフトバンク監督として日本一の実績のある秋山幸二氏(54)、プリンスホテル出身の宮本慎也氏(45)、OBの中日・辻発彦作戦兼守備コーチ(57)が急浮上している。今季はチーム打率がリーグ2位ながら、失策数はリーグワースト。宮本氏と辻コーチ招聘案には、守備面の立て直しを図る意図がある。さらには、いずれも不調に終わった場合の「保険」として、潮崎哲也ヘッドコーチ(47)の内部昇格、渡辺久信SD(51)の現場復帰案まであり、一本化できていない状況だ。
「フロントと本社サイドが推す候補それぞれのスリ合わせが難航しているようです」(球団関係者)
しかも宮本氏に関しては、
「専属評論家契約を結ぶスポーツ紙の関係者が巨人・高橋由伸監督(41)に、新ヘッドコーチとして採用してはどうかと売り込みをかけてます」(球界関係者)
この他、楽天もコーチングスタッフとして招き入れることを画策中だという。
シーズン途中に谷繁元信監督(45)のクビが飛んだ中日は来季、落合GMの子飼いと言われる小笠原道大二軍監督(42)の昇格が最有力視されているが──。
「ファンがボードを掲げて退任を訴えるなど、落合氏の責任を問う問題はメディアがあおっているからだと白井オーナーは思っている。だから来年1月末に落合氏との契約は切れますが、強い信頼関係は何も変わっていません。かつては監督として優勝したのに、フロントや中日新聞幹部、有力者らから執拗に迫られ、不人気を理由にしぶしぶクビを切ったものの、高木守道監督に代えても人気が回復しないばかりか、チームは弱体化した。その経験が白井オーナーを意固地にさせ、『誰が代わりにいるんだ』というスタンスを変えていません。中日新聞や球団内からは『白井オーナーと落合GMによって、チームは崩壊の一途をたどる』との声が出ています」(中日新聞関係者)
それでもファンや関係者の批判はすさまじく、GM退任の可能性は消えない。
「その場合、来季の監督昇格案も出ていた森繁和監督代行(61)がGM就任の予定で、落合氏はアドバイザー的な立場になる。落合監督時代の参謀だった森監督代行はバリバリの落合派で、つまり肩書が変わるだけで中身は変わらない。いずれにしろ、来季の体制は白井・落合ラインが継続します」(前出・中日新聞関係者)
「落合帝国」は盤石でも、チームははたして浮上するのか──。