「黒い霧」再びか──。10月5日に巨人が発表した「野球賭博事件」は、球界にDeNA監督抗争をしのぐ激震を走らせた。
05年ドラフト希望枠入団の右腕、福田聡志(32)が今年8月初旬、チームメイトの笠原将生(24)に紹介された税理士法人勤務の男性A氏に誘われ、高校野球夏の甲子園大会の試合を対象に、1点1万円で勝敗を賭けていたのだ。そこで負けが込んだことから、プロ野球と大リーグの各10試合で再び賭けを行って取り返そうとするも、「借金」は百数十万円に膨らんだ。その中には、巨人の試合も数試合含まれていたという。
コトが発覚したのは9月30日。A氏がジャイアンツ球場に現れ、「借金を取り立てに来た」と話したことが引き金になった。福田は今季一軍登板がないことから、巨人の試合で八百長が行われた可能性は低いと見られるが、
「巨人は10月7日、福田をNPBに告発した。福田と笠原は永久資格停止、つまり球界追放の処分を受ける可能性は十分にあると思います」(スポーツ紙デスク)
巨人はさらなる賭博常習者の有無を確認すべく、6日から一、二軍全選手と全スタッフ、職員への事情聴取を開始。
「球団内は大騒動です。もし関与した選手が芋づる式に出てきたら大変なことになる。9月30日の発覚から10月5日の公表まで時間がかかったのは、福田らへの事実確認と同時に、他の選手もひそかに調べていたからです。福田と親しい一軍の主力など大物選手がヤバイのでは、と見られ、同時にレギュラークラスに疑惑がないか、怪しい交友関係はないか、と。それでいちおうクロだという証拠がないことがわかり、公表に至りました」(前出・スポーツ紙デスク)
水面下の調査を経ての全員「再事情聴取」は、巨人のCS戦線に大きな横ヤリを入れることとなったのだ。