ついに人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」が実写映画化される。かねてから実写映画化が噂されながら映像化は不可能だとされ、制作が見送られてきただけにさぞファンは喜びいっぱいかと思いきや、目立つのは批判的な意見ばかり。監督が大爆死した映画「テラフォーマーズ」を手がけた三池崇史監督であること、出演者が原作のイメージとかけ離れていることなどがその理由だ。
「そんななかでも特に問題視されているのが、映画の撮影をスペインで行うという点です。制作発表会で三池監督が明かしたところによると、『世界中から撮影地を探して、スペインにたどり着いた。美しくてジョジョにピッタリ』とのことです。三池監督はドヤ顔でしたが、原作ファンからするととても信じられない発言です」(漫画誌ライター)
もう少し詳しく説明しよう。実写映画化されるのはジョジョの第4部「ダイヤモンドは砕けない」で、舞台は仙台をモデルにした架空の街・杜王町。それまでロンドンやニューヨーク、ローマなど世界の大都市を舞台にしてきた第1部~第3部とは大きく異なっている。それは原作者の荒木飛呂彦先生によると、「日本のどこにでもある街に犯罪者が潜み、普通の人たちを傷つけるという身近な恐怖」を描くため。つまり、第4部の舞台は「日本人の心にある一般的な日本の街」でなければならないのだ。
「舞台が物語の根幹に大きく関わっていることは、一度でも原作を読めばわかることなのに、なぜスペインにしたのか不思議でなりません。ネットでは三池監督が原作を読んでいないのではないかという疑惑まで出る始末です」(前出・漫画誌ライター)
近年、「君の名は。」や「ガールズ&パンツァー」などアニメの舞台になった場所が聖地化され、そこを訪れるファンによって地域振興がされるケースが増えている。もし実写映画のジョジョが仙台近郊で撮影されれば、多くのファンが東北を訪れただろう。震災復興の手助けにもなったはずだ。
「『ジョジョ』はそれだけの力を持った作品で歴史に残る名作です。それなのに三池監督は『ジョジョ』の作品力を軽視しているように感じられるので、ファンは不安でたまらないのでしょう。ひどいデキになるなら、いっそのこと実写映画化なんてしないでほしいというのが本心ではないでしょうか」(漫画誌編集者)
ファンが思わず「グレートですよ、こいつはァ」と唸ってしまうような作品になることを期待したいが‥‥。