官邸サイドが「小池援護」に回る中、「総理の側近」と呼ばれる萩生田光一官房副長官(53)は、アンチ小池の立場を明確にした。9月28日の会見では、都が東京五輪組織委員会の監視を強化するため、「管理団体」の指定に応じるように要請していた件に触れ、
「オールジャパンで盛り上げてきた五輪が陳腐化する心配がある」
と苦言を呈したのだ。都連で総務会長を務める萩生田氏だが、内田氏支持をアピールする“事情”は役職のためだけではない。都政担当記者はこう明かす。
「萩生田氏はもともと都議出身。以前から、都議会と官邸の橋渡し役でもありました。国会議員になってからも内田氏の新年会に顔を出すほど距離は近い」
安倍総理と内田氏のどちらを選ぶのか、板挟みの状態が続く萩生田氏だが、小池氏から政敵としてロックオンされている。
「小池氏は都議選で増田寛也氏(64)を積極的に応援していた萩生田氏や都議を『絶対に許さない』と怒っていました。水面下でプロジェクトチームを立ち上げ、まずは来年の都議選で自分の考え方に賛同する議員を刺客として送り込む予定だそうです」(前出・都政担当記者)
その布石となるのが、小池氏が立ち上げた政治塾である。9月15日、リオパラリンピック出発前に羽田空港で「政治塾」構想を明かしたが、
「囲み取材では豊洲市場の移転問題ばかり質問されていました。そしたら急に小池さんから、『あっ、そうそう』という感じで、政治塾についてベラベラとしゃべりだしたんです」(前出・都政担当記者)
寝耳に水の「政治塾」発足公表に、政治関係者の間では「小池新党」を立ち上げるための一歩を踏み出したと、話題が持ち切りになったという。それを恐れていちばん過敏に反応したのが、公明党だった。
「公明党の山口那津男代表(64)が、官邸サイドに1月解散を嘆願したそうです」(政治部デスク)
その背景には、公明党の支持母体が関係していた。政治部デスクが続ける。
「来年の都議選で、創価学会の本部がある東京で公明党の候補者が負けることは絶対に許されない。現状のまま、民進党が相手なら問題ないのですが、『小池新党』との戦いになれば、議席を落とす可能性が出てくる。1月解散の衆院選挙で与党が圧勝すれば、小池新党の話題を吹き飛ばせるし、新党の立ち上げに二の足を踏ませる狙いがあります」
「壊し屋」の異名を持つ小池氏の動向で、政界地図に異変が起きそうだ。