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週刊アサヒ芸能「創刊60年の騒然男女」スポーツ界「波乱のウラ舞台」<野球篇/「あの重大事件」座談会>(2)落合博満が「監督批判」で星野仙一に土下座

20161020p

A=球界OB/B=スポーツライター/C=元球団スタッフ/D=スポーツ紙幹部

A 星野と中日時代の落合の間には、誰も知らない話がある。長野・昼神温泉での自主トレで落合が「選手時代に逆をやっていた人が監督をやると変わっちゃう」と暗に星野批判をし、それを知った星野が激怒して罰金200万円の措置。落合が200万円を持って星野の自宅を訪ね、応接室で謝罪、土下座をしたというんだ。その因縁は、その後もずっと続いている。

D 舌禍事件といえば、81年、阪神・江本孟紀の「ベンチがアホやから野球がでけへん」事件もある。だけど、あれは試合後の囲みでしゃべったわけじゃなかった。

B 昔の甲子園球場は、ノックアウトされた投手がベンチからメディアや関係者の誰もがウロウロできる通路と階段を通って、2階のロッカーに戻っていましたね。ロッカーの入り口から先は報道陣立ち入り禁止だけど、入り口から見渡せる通路が10メートルほど続いていて、そのちょうど終わりかけくらいで「アホが‥‥やってられるか!」と、中西太監督から告げられた交代の不満を漏らしたんです。それを張り番をしていた各社の若い記者が遠巻きに断片的に聞いて、「アホって言ったよな?」となり、各社で口裏を合わせて「ベンチがアホやから──」というコメントが誕生したわけです。

A エモやんは当初、球団の事情聴取に対して「言っていない」と否定したけれど、「まぁ、思っていることはそうだから」と認めて、その年限りで引退することになった。

B 日本シリーズで忘れられないのは、78年、ヤクルトと対戦した阪急・上田利治監督の、球史に残る1時間19分の猛抗議ですね。

D 0対1で迎えた第7戦、6回裏にヤクルト・大杉勝男のレフトポール上を通ってスタンドインした打球を線審が「ポールの上を通過」と本塁打判定。ウエさんは左翼ポール下まで猛ダッシュして「ファウルだ!」と。まったく聞き入れられないとなると、全選手をベンチへ引き揚げさせて籠城した。

C ボールをつかんだファンが「ファウル」と証言。のちに大杉自身も「ファウルだった」と告白していますね。最も見やすい位置にいるヤクルトベンチの選手が打球の行方を見たうえで、ファウルだと思って喜ばなかったんだから。

D 徹底抗戦のウエさんは試合再開の条件として線審の交代を主張。それも拒否され、再開後、大杉にもう1本打ち直しまでされて完敗し、試合後に辞任した。

C 実はこの抗議には伏線があって、ウエさんは球団フロントに不信感を持っていたんだよ。リーグ優勝したのに、裏ではフロントの一部に監督下ろしをしようという動きがあったから。もし放棄試合になれば、阪急に莫大な損害賠償請求が来る。猛抗議はそんなウエさんの抵抗だったのではないか、との説があった。

B その阪急も、数年後にはオリックスに身売りしてしまった。

A この60年の間には球団の身売りも数々行われてきたけど、衝撃だったのは04年の球界再編だね。近鉄とオリックスの合併に端を発し、楽天が誕生するわけだけど、最初に新球団に名乗りを上げたのはライブドア。ホリエモンが一躍スターになった。あの時、ドス黒い動きが水面下で‥‥。

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