飛ぶ鳥を落とす勢いの小池氏は、7月の都知事選で「大年増の厚化粧」と痛罵された恨みとばかりに、石原慎太郎氏(84)もバトルの舞台に引きずり込んだ。
豊洲市場の建物下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、都知事時代に築地市場からの移転を決定した石原氏に責任の矛先が向けられた。
連日のようにマスコミが石原氏の自宅前に殺到。問題発覚直後の9月13日に出演した、BSフジの「プライムニュース」では、
「だまされた。都の役人は腐敗している」
と、被害者のように話していたが、その8日後には書面で、
〈多大な混乱や懸念を生じさせるなどしておりまして、まことに申し訳なく思っております〉
と謝罪を発表。小池氏とのヒアリングにも応じるため、日程調整をしていた。が、10月5日になって一転、拒否と報道された。
「敵前逃亡」の形で幕引きを迎えそうな決着に、浅川氏はこう語る。
「石原さんは84歳になって、いまさら小池さんと真正面からケンカするのがバカバカしくなったんでしょう。小池さんは世論を味方にして調子に乗っていますが、森さんや石原さんという大物相手に背伸びしすぎている印象を受けます。大先輩の顔を立てて、まずは森さんの事務所に出向いて話をするなど、根回しをすることも大事です」
将来の「総理のイス」を巡って、女性同士の場外バトルも勃発している。これまで安倍総理の後任として、最有力候補として名前があがっていたのは、稲田朋美防衛相(57)。それが都知事選で支持が集まり、ライバルの一番手に小池氏が急浮上したのだ。
「国会議員時代から、総理大臣への野心を隠していません。都知事の功績を足がかりに、中央政界に復帰するのが青写真。総理への条件は、新党を作らずに自民党に残り、都知事の任期を終えるまで、カネの問題などで自滅しないことです」(政治部デスク)
相対する稲田氏は、05年のいわゆる「郵政選挙」の落下傘候補から当選4回。安倍総理の寵愛を受けて大臣や党三役を経験するスピード出世をしてきた。
秋の臨時国会では、防衛大臣としてデビューを飾ったが、野党から集中攻撃を受けて「圧壊」寸前まで追い詰められている。
「民進党の辻元清美議員(56)から、終戦記念日の8月15日に全国戦没者追悼式を欠席したことについて追及されると、答弁中に言葉に詰まり、涙ぐんでしまった。あまりの打たれ弱さに、自民党議員からも『大丈夫か』と失笑されるほどでした」(政治部記者)
女性対決は早くも小池氏に軍配が上がりそうだ。