米MLBニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、ニューヨークのトランプタワーに居住しているという噂を全力で否定した。田中は11月11日に「家はトランプタワーではありません!過去に住んだ事もありませんし、内見さえ行ったことありません」とツイート。この背景にはフジテレビが10日と11日に、田中と里田まいの夫妻が同タワーに住んでいると放送したことが影響したと言われている。その噂について現地事情に詳しいライターが解説する。
「田中が“トランプ・ワールド・タワー”に住んでいるという話は、ウィキペディアでさえ新聞報道を引用する形で掲載しており、半ば既成事実化されていました(現在は削除)。その理由として、ヤンキースの先輩にあたる松井秀喜が実際に同所に住んでいたことがあげられます。松井についてはアメリカの報道でも、2005年に52階の部屋を315万ドルで購入したと具体的に報じており、こちらは事実のようです」
ただ、田中自身もツイッターで「今まで特に否定も肯定もせず来ました」と書いているように、なぜこのタイミングで全力否定へと変わったのか。その理由をスポーツ紙のライターがひも解く。
「MLBにはメキシコをはじめとする中南米出身の選手が多く、ヤンキースにもメキシコやドミニカ出身の選手が何人もいます。ニューヨーク自体が人種のるつぼですから、中南米系のヤンキースファンも少なくありません。その状況で不法移民を敵視し、メキシコ国境に壁を築くと宣言しているトランプ次期大統領に対して、厳しい目を送る選手やファンが多いのも事実。そのトランプ氏が経営する高級物件に住んでいるという噂は、田中にとってマイナスになってもプラスになることはないでしょう」
MLBの経営陣には、壁ができる前にメキシコの有望選手を獲得しようというジョークを飛ばす者もいるとか。ともあれ根も葉もない噂は否定しておくのが得策と判断した田中は、現地事情を冷静に見極めているようだ。
(金田麻有)