かつて世界3大ギタリストの一人としてカリスマ的な人気を誇った元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジも、若者にとってはただのおじいさんだった? そんな世代間ギャップが浮き彫りになっている。
事の発端は11月11日に両国国技館で開催された「クラシックロックアワード2016」にて、プレゼンターとして登壇したペイジがギターを演奏しなかったこと。会場を訪れたファンの多くはペイジの演奏を期待していたため、終演後には会場スタッフに返金を求めて詰め寄るなど騒然とし、14日には主催者が謝罪文を発表する事態となった。この騒動について40代の音楽ライターが語る。
「ジミー・ペイジは、ロックと言えば洋楽が当たり前だった世代にとってはまさに神様そのもの。そのためファンの怒りは相当なものでしたが、ネット上ではあまり大きな騒ぎになっていないのです。それはネットユーザーの中心である若者たちが彼のことを知らないから。中には、『ロック好きだけどジミー・ペイジのことはよく知らない』という人もいて、音楽ファンとしては悲しい気持ちにさせられますね」
もっともレッド・ツェッペリンが解散したのは36年も前のことで、多くの若者にとっては生まれる前の話だ。しかも今回と同様の反応は、8年前に開催された世界的なイベントでも見られたという。前出の音楽ライターが続ける。
「北京五輪の閉会式では次期開催地のロンドンをフィーチャーした演出が行われ、そこにペイジが登場。生中継を観ていたファンは『ジミー・ペイジだ、すげえ!』と絶叫したものです。しかし、若者たちはまったくピンとこなかったようで、同じく閉会式に登場したサッカーのデヴィッド・ベッカムに熱狂していました」
当のペイジは来日中、古レコード屋などを訪れていたという。これがベッカムなら大騒ぎになっていたわけで、たしかに日本での認知度が低いことは否めなかったようだ。
(金田麻有)