●ゲスト:嘉門達夫(かもん・たつお) 1959年、大阪府生まれ。高校在学中に笑福亭鶴光に弟子入り。高校卒業後、「笑福亭笑光(しょうこ)」の名をもらう。78年、19歳で「MBSヤングタウン」のレギュラーになるも、80年に落語家を破門となり、放浪の旅に出る。ライブ活動を始めて、81年からアミューズでアルバイト、桑田佳祐のライブの前座を務めるという機会を得る。そして桑田の別名義「嘉門雄三」の名字を本人から譲り受け「嘉門達夫」と命名される。83年、「ヤンキーの兄ちゃんのうた」でレコードデビュー。以降「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」「小市民」「鼻から牛乳」などをリリース。91年、「替え唄メドレー」が82万枚の大ヒット。92年、「第43回NHK紅白歌合戦」に「替え唄メドレー~紅白バージョン」で出場。2008年、眼科医の女性と結婚。今月21日、ニューシングル「炎の麻婆豆腐」を含むニューアルバム「食のワンダーランド~食べることは生きること~其の壱」をリリース。12月10日大阪、17年1月7日に東京、1月9日に名古屋で「嘉門達夫 世相を笑い飛ばすツアー」を開催。
「鼻から牛乳」「アホが見るブタのケツ」などの大ヒット曲や、替え歌メドレーなどのコミックソングでおなじみのシンガーソングライター・嘉門達夫。いよいよ発売となる新作アルバムは、なんと「食」がテーマだという。お笑いなしの熱いこだわりに、天才テリーも驚愕!
嘉門 突然ですが、今日はギターを持ってきまして。
テリー えっ、何か歌ってくれるの?
嘉門 ええ。毎年この時期になると1年を振り返る替え歌メドレーを歌わせてもらっているんですけど、せっかくなのでテリーさんにも聴いてもらおうかなと。
テリー わ~、こんな贅沢なことはないよ。ぜひ聴かせてください。
嘉門 じゃあ、今年はこのあたりからかな?(と、SMAP解散、清原和博の逮捕、北朝鮮のミサイル発射、パナマ文書などをネタにした替え歌を次々と披露、最後に「どんぐりころころ」のメロディで)「女性都知事の誕生だ 小池に代わってさあ大変 給与は半分でOKよ 豊洲も闇を追及よ~♪」
テリー (大拍手で)すごい! 嘉門さん、やっぱりおもしろすぎるよ!
嘉門 いえいえ、ありがとうございます。
テリー こういうネタは、いつ考えるんですか?
嘉門 もういつも考えてまして、日々更新していくんです。ちょうど、うなぎのタレをつぎ足してるみたいな感じですね。
テリー どのネタをどの曲に当てはめるって、すごく大事だし、センスが問われますよね。
嘉門 確かにそこは大事ですね。元の歌詞と、どこで韻を踏むかとか。小池さんの「どんぐりころころ」なら、「お池にはまって」と「小池に代わって」の部分とかね。
テリー 日々いろんな事件が増えていくし、数多く作るのも大変でしょう。
嘉門 もちろん、僕自身が考えるのも多々ありますけれども、ツイッターでネタを投稿してくれる人が50~60人くらいいて、それを僕のラジオ番組で紹介しているんです。その曲をピックアップして、手を加えて形にしてる曲もありますから、調子がよければ1日で何曲もできることもありますね。
テリー なるほど、それにしたって、すごい才能だと思いますよ。
嘉門 時事ネタはおもしろくて好きなんですよ。ただ、人が亡くなったり、弱い者いじめになるのは、歌うべきじゃないと思ってますけどね。
テリー 先日の博多駅前の道路陥没事故みたいに、誰も亡くなってないといいですけどね。
嘉門 ええ、(「伯方の塩」のCMフレーズで)「ハ・カ・タ・の穴♪」とかね。これ、別に「いい」とか「悪い」とか、一切言ってないんですよ。「博多の穴」って言ってるだけですから(笑)。でも、歌に乗せると風刺になるんです。
テリー ハハハ、嘉門さんはもう「風刺詩人」と言っちゃったほうがいいですね。ネタを考える時には、やはりそういったジャーナリスティックな目線は大事ですか?
嘉門 ええ、でもあんまりマニアックなものはダメなんです。みんなが知っている、言ったらスポーツ新聞の社会面レベルのものにしようと意識しています。
テリー ああ、やっても「それ何?」って言われちゃうと困っちゃうものね。目線は常にミーハーであれ、ということだ。