清原の逮捕劇はドス黒い闇に覆われていた。
〈「清原の交遊関係は真っ黒そのものでした。銀座のクラブや六本木のサウナなどで、ヤクザ組織の幹部と密会する姿は何度となく目撃されてきました。入魂となった相手には堂々と『私もヤクザに憧れているんです』などと、ヤクザを崇拝するような言葉まで吹聴していたようです」(捜査関係者)〉(16年2月18日号)
堂々と入れ墨を披露して、ヤクザへの憧れを自慢する球界の番長。言動はもはやヤクザそのものだった。そのヤクザ交遊の原点は、「小さい頃からの憧れ」とまで口にしていた地元の関係者だった。
〈「岸和田生まれの清原が、ちっちゃい頃から憧れてたのは、郷土愛が強くて同郷の人間に対する仲間意識がハンパなく強い。“先輩”だった。地元のヤクザだよ。一回り上だったが、清原が野球で頭角を現した中学時代、名門PL学園に入っても関係は続いて、プロに入っても清原はかわいがってもらってたな」〉
夜の街でトラブルになると、「俺のケツ持ちを誰だと思っているんや」と脅してみたこともあったという。
シャブに溺れ、オンナに溺れ、セックスに溺れた…。
自力では抜け出せない、それは「シャブの無間地獄」だったのだろう。
薬物に詳しい元ヤクザ関係者が話した。
〈「糖尿病を患っていたから、よけいにセックスでシャブの力が必要だったんだろう。清原は頭を短く刈り上げていたよな。毛髪検査を防止するための対策だろう。特に有名人の場合は、売人からそうしたアドバイスを受けることが多いからな。真っ黒に日焼けした肌も同じ。シャブを打ち続けると、皮膚の柔らかいところ、顔とか首とかが黒ずむから、それを目立たなくするためだよ」(同2月18日号)〉
シャブの調達方法はまちまちだったが、清原のこんな面を元ヤクザ幹部が語った。
〈「注文は2グラム。1グラム3万相場で、色をつけて9万ぐらいの取り引きだった。1晩1グラムあれば4人で十分の量だから、男3人女1人でも翌日夕方までは、、たっぷりキメセクできる。『余ったら捨てる』と言っていたし、売人は他県からの遠征だった。証拠を残さないよう、シャブ中なりに慎重だったんだろうよ」(同2月18日号)〉
慎重さと大胆さ、快楽と孤独の間を彷徨っていたのかもしれない。
あるシャブの元売人に本誌記者は接触し、こんな証言を得た。
〈「シャブは現役時代からやっていたようで、使い慣れていた。他に、ヤサイ(大麻の隠語)、チャーリー(コカインの隠語)も欲しがったので別の業者を紹介した。目の前にオンナがいたことはないが、清原はいつも部屋を2つ使っていた。その後、隣の部屋でオンナとキメセクをしていたんだろう」〉
アイドルとスーパースターが転落した「無間地獄」。広がる薬物汚染の闇は深い。