オウム報道は、事件発生から20週連続で暴き続けた「平成の闇」を象徴する事件であった。
日本国内初の殺戮テロ事件を引き起こしたあの殺人教団「オウム真理教」。事件発生当時から、教団の“性の営み”を抉り出すスクープを連発した。教祖・麻原彰晃の性への異常な感覚など、日本中を恐怖に陥れた教団の教義の裏実態を徹底的に追及した。
地元住民の証言から始める。
〈「車でオウムの道場前を通っていたら、すぐ横の福士川でスッポンポンになった男女が30人以上水浴びをしていたそうです。ところがその男女が、浅瀬でセックスをしていたというんですよ」〉(95年4月13日号)
さらに、こんなも光景も目撃されていた。
〈「ほとんど20代前半の男女だったようです。道路側の浅瀬で5、6組の男女が抱き合ったり、ちょっと下流に寄ったところにも中州があって、そちらでは7、8組のカップルが組んずほぐれつといった、すさまじい光景だったといってました」〉
“セックスの壮絶現場”の目撃情報はこんな具合だった。
〈「20歳そこそこの女性が身延線の十島駅近くの民家に助けを求めて来た事件がありました。下半身はまるで裸で、生理かどうかわかりませんが、股間から血を流していたそうです」〉
元信者が明かした。
〈社内不倫と同じようなものですよ。(中略)避妊具をもっている者もいます。でも、そういう人はマレで、普通は持ってませんから、結果として妊娠してしまう若い女性もかなりいました〉
オウム報道では、独自のヤクザ情報もスクープした。オウム真理教の上九一色村の化学プラントで大量の覚醒剤を製造し、全国のヤクザ組織に横流しして、教団の資金源としてたという極秘情報だった。
接触を図ったシャブ売人から得た情報だった。
〈「ワシは去年から卸値が150万と聞いとったから、『150万で入りまっか?』いうて聞いてまわった。ところが皆が皆『もう、安売りは当分ないよ』と口をそろえる。どうも3月ごろから、じりじりと値が上がり、いま280万ということやった。しかも、あと1カ月もせんうちに、400万までいくとまでいわれた。尋常な上がり方やない」〉
この背後で暗躍していたのが教団の中田清秀の存在。背後グループとの関与があったという衝撃証言も記していた。
〈「殺された村井秀夫氏が去る4月7日の会見で『教団の総資産は1000億円』と発言した」〉
この裏のカラクリがシャブだったというのだ。
教祖の麻原彰晃こと松本智津夫はいまもなお拘置所の独居房で声を潜めて生きている。