ほとんどの芸人は、芸事だけでは食えていない。生活のためにと割り切って、アルバイトや副業に手を伸ばすが、まれにそっちが軌道に乗ってしまうことがある。
その典型例で、成功例でもあるのはカラテカ・入江慎也。書籍を6冊も出しているのだ。あまたの芸人のように話術で勝負できない入江は、テレビタレントに不向き。にもかかわらず、成功しているのはなぜか。一緒に仕事をしたことがあるイベントプロデューサーはこう証言する。
「ズバリ、自ら声をかけて会得した人脈ですよ。彼の自慢は、友達が5000人いること。芸人、タレントはもちろん、女子サッカーの澤穂希、横綱の白鵬、マサイ族までいるそうです(笑)」
誘われた飲み会は絶対に断らない。ダメ元で連絡先を交換しては、マメに連絡をする。芸人特有のコネクションとフットワークの軽さを生かしたテクニックに、企業家や出版社が着眼。これまでに、合コン、営業、接待、後輩、人脈などの“力”にまつわる書籍を6冊も出すに至った。
「太鼓持ち芸人なので、とにかく社長ウケがいい。講演や経営コンサルタントを頼まれて、そっちのほうで大忙し。講演会では90分間ほど話し、コンサル業では合コンで駆使した経験談でアドバイス。それで月収160万円を稼ぎ出しているとか。芸人では15万円にしかならないことを考えれば、荒稼ぎといえるでしょう」(前出・イベントプロデューサー)
コンサル業は個人収入だが、芸人はギャラの半分以上が所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーに持って行かれるため、この額もナットク。“合コンキング”、恐るべしだ。
(北村ともこ)