これを受けて、早くもチーム内では、それまでの鬱憤を晴らすかのような変化が現れているという。
「落合氏のGM就任を境に冷や飯を食わされていたスカウト陣に活気が戻りました。関係が悪化していたアマチュア球界との修復に向けては、『もうこれまでのようなことはありません』と球団側が走り回っている。ルーキーの年俸を限度額の25%もダウンさせたり、この3年間のドラフトで獲った即戦力候補19人が、ことごとくレギュラー格にならなかったりと、『中日だけには行きたくない』と敬遠されていましたからね」(スポーツライター)
落合氏に疎まれ首筋が涼しかった選手たちも元気を取り戻し、その影響はチーム外にまで及んでいる。名古屋の放送関係者が言う。
「落合氏を避け、チームから遠ざかっていた中日OBが息を吹き返しました。これまで落合氏はOBのコーチ就任を排除してきましたが、その障害がなくなり、再びユニホームを着る可能性が出てきましたから」
次期監督レースは大変動しそうなのだ。この放送関係者が続ける。
「森監督の成績しだいでしょうが、落合氏が目をかけ、既定路線と言われていた小笠原道大二軍監督(43)への禅譲はいったん、白紙に。落合氏にあれこれ吹き込まれていた白井オーナーは、レジェンド左腕・山本昌氏(51)、名古屋地区で絶大な人気を誇る山崎武司氏(48)の名前を次期監督リストから消していましたが、復活する可能性が浮上した」
山崎氏は3年前、一度は二軍監督に内定していながら、落合GM就任と同時に取り消しになった経緯がある。山本氏も永久欠番になってもおかしくない背番号「34」を、まるで嫌がらせのように昨年、ドラフト4位ルーキーの福敬登(24)につけられて、アゼンとした因縁もある。
中部・東海地方では本来、中日OBへの愛着が強く、「外様」への風当たりは強い。落合降ろしの風が吹く背景にも、落合氏が生え抜きではないとの理由ももちろんある。中日新聞販売店勢力の発言も無視できないため、「谷繁⇒森⇒小笠原」と、3代も続けて「外様監督」にする事態は避けたいという事情もかいま見えるのだ。
「森監督は落合氏が監督時代の右腕でしたが、ドミニカルートを含めた外国人獲得の手腕が評価されているため、監督退任後も編成フロントとしてチームに残る可能性があります。『落合氏の影』が完全に消えるわけではありませんが、球団関係者は森監督が今後、どんな態度を見せるのか、落合氏との関係性をどうするのか、を注視しています」(中日グループ関係者)