中日球団関係者が、当時の落合氏の行状を語る。
「GM時代にみずから全首脳陣に『チームの内部事情を漏らさないように。メディアに漏らしたり他言したりすると訴訟を起こす』と、一筆書かせています。ですから、そこまで詳しい内情を話せるはずはありません。GMとしては、アマチュア球界とのコネクションは皆無で、ドラフト戦略は壊滅的。本人も自分一人が悪者にされる状況にこりごりで、もはやGM職には完全に未練はないようです」
そうなると、球界復帰の道は必然的に「監督」ということになる。本人は、
「『もうユニホームは着ないんですか?』と聞かれるけど、俺が『着せろ』って言って着せてくれるところなんてあります? 俺、こればっかりは絶対にないと思う。向こうから『着てください』と言われれば、『じゃあ』となるけど‥‥」
と、指導者への復帰にさほど積極的ではない態度を見せた。しかし、落合氏に近い関係者によれば、
「完全にブラフですよ。親しい人間には『こんな形で終わるわけにはいかない』と漏らしています」
8年間の監督時代に4度のリーグ優勝を達成、07年にはチームを53年ぶりの日本一にも導いた落合氏。監督としての手腕に疑念の余地はない。実際に球界でも、ちらほらと“待望論”が聞こえ始めている。その中には、なんと「侍ジャパン」の後任監督、という話もあるというのだ。
「一部では巨人の原辰徳前監督(58)と合意に達したという報道もありましたが、日本ハムの栗山英樹監督(56)の名前もあがるなど、実は金銭面などの問題があり、交渉はそこまでスムーズには進んでいない。そんな中、候補者として落合氏の名前もあがっている」(NPB関係者)
ただし、落合氏には、09年WBCでの「選手派遣拒否」という「前科」があり、NPB側にも依然、アレルギー反応を示す向きが少なくない。実現すればかなりのウルトラCと言えるが、むしろ、12球団のどこかという選択肢のほうがしっくりくるだろう。事実、極度の不振にあえぐ巨人のフロント内にシンパがいるとも。
「『ここまできたら、落合にやらせてみてもおもしろいんじゃないか』という声が一部にあるのは確かです。ただ、目端の利く落合さんが今の巨人を率いるという“火中の栗”を拾う可能性は薄いでしょう。それに落合さんはコーチ陣を息のかかった人間で固めないと気が済まない人。巨人ではそれが難しい。以前から噂のあったDeNAやオリックスでの復帰が、最も現実的な路線ではないかと思います」(スポーツライター)
若い監督の多いペナントレースに、「落合監督」が再び刺激を与える。これこそ、ファンが望む落合氏の姿かもしれない。はたして、GM失脚による球界内での悪評を払拭できるような“逆転アーチ”を放つことができるだろうか──。