昨年12月の女子フィギュアスケート全日本選手権で、浅田真央(26)は自己ワーストの12位と惨敗。「引退」の文字がチラつく中、来季の続投を明言した。まさかの国内地方予選回りからの出直しが濃厚となるが、すでに浅田ならではの「特例措置」が発動され、裏工作が始まっていた!
18年、韓国・平昌五輪プレシーズンの佳境を迎える最中に、かつての銀盤の女王は終戦を迎えた。スポーツ紙記者が振り返る。
「今年2月の四大陸選手権は平昌五輪と同じリンクで行われます。今季のGPファイナル出場を逃し、全日本選手権で惨敗した浅田は出場できない。シーズン後半に試合予定がないなんてフィギュア人生で初めてなだけに引退の噂も流れましたが、『好きで戻ってきたから』と雑音をシャットアウト。予定どおり、平昌五輪を目指すそうです」
ただし、続投しても来季は華やかな表舞台で戦えない可能性が高いという。スポーツ紙記者が続ける。
「現時点では来季のGPシリーズを経て五輪を目指す道が保証されていません。GP出場の条件は、前年の世界選手権上位者、ISU(国際スケート連盟)の世界ランキング上位24人などの規定があります。世界戦出場を逃した浅田の今季の世界ランクは21位と微妙で、今季後半戦でランクを落とす可能性が非常に高い。恐らく、地方予選の中部選手権(9月下旬)、西日本選手権(10月下旬)から全日本選手権(12月下旬)に出場することになるでしょう。(1年の休養明けの)今季のGPシリーズ出場は、ISUの『過去10年の世界選手権で6位以内の実績があれば2大会出場が認められる』オプション規定に沿ったもの。2度目のオプションはありません」
過去には、安藤美姫や村主章枝が地方予選からソチ五輪を目指したことがあるが、「女子フィギュア界最大の貢献者にドサ回りのようなことをさせていいのか」との声が関係者の間から聞こえてきているという。
そこで浮上したのが、ISUによる「特例措置」の発動である。民放局スポーツ担当記者が打ち明ける。
「スケジュール的に地方予選とGPシリーズが並行して行われている点がポイントです。地方予選の前後1週間以内のGPシリーズに参加すれば、予選出場は免除される‥‥」
GPシリーズは10月から12月にかけ、「スケートアメリカ」「スケートカナダ」「ロシア杯」「フランス杯」「中国杯」「NHK杯」の6大会が開催される。それぞれ日本人選手は2人ずつ出場できるが、NHK杯に限り3人。1戦もしくは2戦に出場し、上位6人に入ればGPファイナルに進出できる。
では、浅田はどうやってGPシリーズに出るのか。
「スター選手の浅田には有力スポンサーがつきます。浅田のマネージメント会社がISUにそれをアピールし、ISUが招待という形で『過去の実績を見て‥‥』などと指名すれば出場可能になるのです。ISUも日本スケート連盟も潤う、特例措置ですね」(スケート関係者)
この国内予選免除のシナリオは、浅田本人の知らぬところで着々と進行しているという。
浅田の近況はというと、悲壮感もなく自然体でふるまっているというが、前出・民放局記者によれば、
「全日本選手権翌日も『笑って年を越せれば』と話し、来季の舞台が地方になろうがGPシリーズだろうが気にしていません。それよりも、代名詞のトリプルアクセル(3A)の成功だけを目指しています。今季の前半は3Aを封印し、技巧派への変身を試みましたが、全日本の1カ月ほど前に、ソチ五輪時代の女性トレーナーを再び呼び寄せた。『もう一度、公式戦で3Aを成功させたい』と頼んだそうです。必殺の3Aを決めれば、平昌五輪切符を手にするのも夢ではありません」
15年12月のGPファイナル以降、成功していない3A。浅田の挑戦は続く。