「日本の11番はとても速かった。スペースを使われた」─サッカー男子1次リーグで優勝候補とされながら日本に敗れたスペインのミリャ監督は、こうコメントして脱帽した。背番号11をつけていたのは、50メートル5秒8の足を持つ永井謙佑(23)である。
驚嘆の弁を吐いたのは、スペインの監督だけではなかった。視察した欧州クラブのスカウトはそろって衝撃を受け、とりわけイングランド・プレミアリーグ、ウェストブロミッジの担当者は、
「日本の11番はなんて速いんだ。今すぐにでもプレミアリーグでプレーできるよ。彼はどこのクラブでプレーしているんだ? 契約は何年残っているんだ? 今日の調子はいつもと比べてどうなんだ?」
と、日本の報道陣にまくし立てたという。
欧州リーグを取材するサッカーライターが話す。
「あれだけ速いのは、欧州にもいません。ドイツ、イングランド、イタリアのリーグが獲得を熱望しています。永井は所属する名古屋グランパスでの年俸はわずか1500万円と安いため、せいぜい1億円程度で獲れる。安いうちに買っておけば、将来、高く売れるかもしれません。“第二の香川真司”になる可能性はありますね」
日本サッカー界で速いといえば、あの「野人・岡野雅行」が思い出されるが、「永井は岡野より速い。岡野はかつて『俺は犬より速かった』と自慢していましたが、それ以上の永井は“超人”ですかね。ピッチ上の10 メートル、20メートルダッシュなら、あのウサイン・ボルトより速いですよ」(サッカー担当記者)
五輪のモロッコ戦で見せた、清武のパスに反応して決勝点を決めたダッシュは、専門家によれば時速33・6キロ。ボルトが北京五輪の100メートル走で世界新記録9秒96を出した時の、10〜20メートル地点での時速が35.3キロだ。数字上はわずかに1.7キロ及ばないが、永井は陸上のトラックではなく、芝の上をスパイクを履いて走っている。「それを換算すると、スタートダッシュの加速はボルトより上と見ていいでしょう。ちなみに永井本人は、『サッカーのスパイクで100メートル10秒台が出る』と言っています」(前出・サッカー担当記者)
欧州移籍で超人旋風を巻き起こすか、いや、「陸上界からもラブコールがある」との声も上がっているが‥‥。