昨年の“R-1ぐらんぷり”はハリウッドザコシショウが、今年はアキラ100%が優勝した。彼らが所属しているのは、10年ほど前にお笑い部門を始動させたソニー・ミュージックアーティスツ。いわずと知れた、音楽系事務所だ。
2012年にはバイきんぐが“キングオブコント”で頂点に立っており、2015年からは“R-1”でマツモトクラブが台頭。否が応でも、同事務所所属の芸人に視線が集まっている。
そんななか、いま最も注目されているのが、ハーフのピン芸人「ぶらっくさむらい」だ。スポーツ新聞の芸能部・ベテラン取材記者に話を聞いた。
「母が日本人で、父はアフリカのカメルーン国籍。見た目は完全に外国人ですが、アフリカに行ったことはなく、生まれも育ちも愛知県という地味な生い立ち。大学卒業まで、愛知から出たことがなかったそうです。本名は、武内剛(たけうち・ごう)です」
日本語しか話せないため、20代前半でアメリカに留学し演技、歌、音楽を学んでいる。芸人だが歌唱力抜群で「ゴッドタン」(テレビ東京系)のマジ歌ルーキーオーディションで活躍したことも。
芸歴はわずか5年。しかし、イカつい風貌と反して、学生時代のクラブ活動は一貫して美術部であること、レンタルビデオの会員登録は決まって拒否されるなど、おもしろ実話が豊富。ギター漫談、ものまね、ひとりコントはニューヨーク仕込みと、芸人が恐れる芸人だ。ちなみに、特技は「英語」。しっかりツボを捉えている。
(北村ともこ)