お寺の脇で48年 素材と真心の串カツ屋台
大阪市営地下鉄・平野駅から住宅街を歩いて行くと、お寺の脇にポツンとたたずむ屋台の明かりが見えてくる。聞けば、この場所で営業を続けて48年にもなるという。もともとはご主人がやっていたこの店だったが、病に倒れたご主人の代わりに奥様とその妹さんのお二人で引き継ぐことになったとか。
メニューはどて焼きと串カツ。甘みのある自家製の味噌ダレをベースに、提供時にショウガをすりおろしてくれるどて焼きは、プリッとした歯ごたえがたまらない。串カツのネタは毎日、市場などから新鮮なものを仕入れており、冬はカキ、春先にはタケノコなど、季節に応じて入れ替わる。カキを揚げてもらうと、サクサクした衣の中からカキの身の濃厚な旨みが溶け出し、思わず天を仰いだ。
美味しさの秘訣は「素材と真心」だという。その通り、マグロをネギで挟んだねぎまにしても、大ぶりなヘレにしても、とにかく肉質が素晴らしく、しっかりした味わいと柔らかさを兼ね備えている。酒類は瓶ビール、缶チューハイの他に日本酒もあり、酒燗機で燗までつけてくれる。
まるでオアシスのような立ち寄りスポットとして近所の方に愛される一方、遠方からくる熱烈なファンがいるというのも納得の、実力は屋台だ。
■串かつ・どて焼き 武田
住所:大阪府大阪市平野区平野本町1-5 光永寺前 電話:090-3659-5616 営業時間:16:30~20:00(*ネタがなくなり次第終わり) 定休日:日・祝、悪天候時、出張販売時