百条委員会で石原慎太郎氏を「公開処刑」すると、次なる「老人政治」の“息の根”を止めるべく、夏の都議選に向けて小池百合子知事が動きだした。標的の「自民党」をブッ潰すため、「妖女軍団」を続々と大量投入。告示前から水面下で繰り広げられる、ケンカ仕掛け人の「マル秘先手必勝」プランの中身とは──!
「東京五輪の施設見直し問題では、大会組織委員会の森喜朗会長(79)にケンカを売ったまではよかったのですが、その後、国際オリンピック委員会から計画変更の了承を得るのが難しく、疲れた表情を見せることが多かった。でも、最近は都知事就任時のように顔色がいいんです」(都政担当記者)
五輪施設の件では、小池百合子都知事(64)が熱望したボート・カヌー会場などの変更は通らず、老練な森氏を前に苦汁をなめる。そのため、一時は「小池ブーム終焉」すらささやかれたが、2月の千代田区長選で息を吹き返した。
「都議会のドン」内田茂氏(78)の地盤で自民党が推す与謝野信氏(41)と、小池氏が支援する現職・石川雅己氏(76)がぶつかり、応援演説に入った小池氏は、
「代理戦争と言われてますが‥‥、そのとおりです!」
と高らかに断言。実際、選挙戦では鬼気迫るものがあったという。
「選挙序盤の世論調査ではダブルスコアの結果だったので、石川陣営は気持ちが緩んでいました。すると小池知事は『普通の圧勝ではダメ、トリプルスコアで勝たなければ負けと同じ!』と強い口調で叱り飛ばしました」(前出・都政担当記者)
それから連日のように応援演説に入り、宣言どおりにトリプルスコアでの完全勝利を実現して、あらためて存在感を見せつけたのだった。
宿敵の「ドン」を討ち取った小池氏の視線は、7月2日投開票の都議選に向けられている。小池氏が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」が主催する政治塾は、「都議選対策講座」を設立。約4000人の塾生から出馬希望者を募り、試験を行って約300人にしぼると、街頭演説での声の出し方や、公職選挙法の注意点など実践指導に乗り出し、“闘士”を養成している。
小池氏の勝ち馬に乗っかるため、都議会の「勢力バランス」も変わりだした。先を見据えて大きな一手を打ってきたのは公明党だ。昨年12月、これまで共闘体制を敷いていた都議会自民党と公明党が議員報酬削減案を巡って決別。きびすを返して小池氏に接近すると一気に距離を縮め、公明党本部の新春賀詞交歓会に小池氏が出席する親密ぶりを見せつけた。
3月13日には、「都民ファーストの会」と公明党が都議選で政策合意したことを発表した。候補者を相互推薦する選挙協力を行い、公明党は「1人区」と荒川区を除く「2人区」で「都民ファーストの会」の候補者を推薦。「都民ファーストの会」も公明党の候補23人全員を推薦するという作戦だ。