D 石原叩きには「私怨説」も根深く語られていますよね。若かりし石原さんは、小池さんの父親のバックアップを受けて政治家になったんだけど、いざ小池さんの父親が選挙に出た際、石原さんがあんまり応援せず、落選してしまった。それを根に持っている、という話。
B その真偽はともあれ、劇場型政治を演出する小池さんの「自分ファースト」な部分は苦手だなぁ。その点では、地味にやることをやっていた猪瀬さんのほうが好感が持てる。政治塾の開講とか、小池さんの動向を見ていると、都を踏み台に総理大臣を目指す意図が透けて見えるんだよね。
C 確かに都の職員で「希望の塾」をよく言う人をあまり見かけませんね。私の上司も「単に小池派の受け皿でしかない」と冷ややかな見方をしていました。そういえば、塾生のエド・はるみさんと交流のある都庁職員が「エドさんは都議会議員じゃなく、国会議員を狙っている」と断言していましたよ。
A 「希望の塾」自体、夏の都議選以降は国政進出にシフトしていくでしょうね。自分の知るかぎりでは、小池さんに最も影響力を持っているのが、「希望の塾」の講師も担当している都政改革本部の上山信一特別顧問。小池都政におけるキーパーソンなんだけど、幹部職員からの煙たがられっぷりは半端じゃない。ある幹部は「急にやって来て仕事にイチャモンをつけるGHQみたいな男」と評していました。「ヘタに刃向かうと報復人事を食らう」と言って相当恐れていましたけどね。当初は幹部連中が結託して「上山追放計画」も動いていたみたいだけど、立ち消えになったみたいで。
D いつも無理難題をふっかけてくるから、ウチの局内でも好かれていないんだけど、小池さんが五輪会場問題で組織委員会の森会長とケンカするために、上山さんの力は欠かせないですよ。最近、都政改革本部でしきりに言われているのが「豊洲問題は『落としどころ』が大事、五輪会場問題は『戦い方』が大事」。どっちも重要な課題に違いはないけれど、組織委員会という明確な敵がいる分、より勝ち負けがハッキリするのが五輪会場問題なんですよね。小池さんは「上山先生の方針で最後まで戦う」と公言しています。
B どっちみち、豊洲も五輪会場も今年がヤマだね。豊洲で石原さんを仕留めてさらに勢いをつけ、いよいよ最大の敵、森さんに挑むという流れか。我々職員が話題作りの標的にならないよう、石原さん、森さんには踏んばってほしいよ。
<座談会メンバー>
A=政策企画局/30代男性
B=総務局/40代男性
C=生活文化局/20代女性
D=オリンピック・パラリンピック準備局/30代男性