次々と「改革案」を打ち出し、一躍、時の人になった小池百合子都知事(64)。それが一転、手腕に疑問符が付くや「賞味期限」が切れ、壮絶な手のひら返しが始まった! 風見鶏がバッコする政界の暗部をえぐり出す。
11月29日、東京五輪の会場見直し問題で東京都、政府、組織委員会、IOCの4者トップ級会談が開かれた。フルオープンで行われた会談では、「犬猿の仲」で知られる小池氏と大会組織委員会の森喜朗会長(79)との舌戦バトルが展開。バレーボール会場について小池氏が、
「有明アリーナと横浜アリーナに関してはクリスマスまでに結論を出したい」
と先送りを訴えると、森氏はあきれた口調で切り返す。
「あのねぇ小池さん、今日の時点で結論を出せないということだよね。クリスマスまで何をやるの?」
と畳みかけ、さらに、
「僕の知りうる話では、横浜のほうが迷惑している、と聞いている」
などと、追及の手を緩めることもなくボディブローを連打。これに小池氏は、
「(横浜には)歓迎してもらっている」
と返すのが精いっぱいだった。取材をしていた都政担当記者はこう話す。
「会談終了後、囲み取材に応じた森会長は饒舌でした。昔から囲みの時間が長いほど機嫌がいいのが特徴。この日はなかなか帰ろうとせず、何でも聞いてくれって感じでしたね」
ボート・カヌー会場と水泳会場はコスト削減の方針で決まったが、小池氏が熱望していた会場変更は通らず、「横浜案」も実現しなければ3戦全敗になる。
売られたケンカを買って返り討ちにした形の森氏だが、会場見直し問題で批判のホコ先を向けられた時点で、この大逆襲を予告していたという。
「『半年たったら(小池氏の)ボロが出るから』と不敵な表情でした。すでにクリスマスまで待たなくても、バレーボール会場の結果は見えているようです」(自民党関係者)
就任当初は歓迎していた都庁職員と小池氏との間にも、すきま風が吹き始めた。
「小池さんは職員と都議会のドン・内田茂都議(77)の距離が近いと思っていて、まったく信用しておらず、都政改革本部の調査チームと一緒にいることが多い。競技場の先延ばしも職員は知らされていなかったんです」(前出・都政担当記者)
“小池離れ”は都庁だけでは収まらなかった。「小池劇場」を連日、好意的に取り上げてきたワイドショーにも変化が見られる。
「豊洲移転問題を先送りにしたあたりで、小池氏に対する視聴者からの懐疑的な意見が増えてきた。今までは数字が取れるので、話題がなくても小池特集を組みましたが、最近は米次期大統領のドナルド・トランプ氏(70)や韓国の朴槿恵大統領(64)の退陣問題を放送したほうが視聴者の食いつきはいいですね」(民放番組スタッフ)
大山鳴動して鼠一匹な展開で、視聴者である一般有権者は早くも小池氏に飽きてしまったようである。