ボート・カヌー会場に予定されている「海の森水上競技場」の建設費用は、当初予定から約7倍の491億円に膨張。そこで、宮城県の「長沼ボート場」への移転に向けて村井嘉浩県知事(56)と意見交換するなど、小池氏は都民の負担軽減のために動きだしている。
大会組織委員会の中では小池氏に反発の声が高まってるが、宿敵・森会長は、
「代えられるものなら、代えてみれば」
と漏らし、高みの見物を決めているという。そんな森氏の突き放したそぶりの裏には、見直し実現に向けて厳しい問題が待ち受けていることを知っているからだろう。都がIOCから計画変更の了承を得るには、国内外の競技団体の同意が求められる。9月末にIOC副会長のジョン・コーツ氏(66)がテレビ会談で、大会組織委員の武藤敏郎事務総長(73)にこう不満をぶちまけた。
「これまでの都の説明と違う。改革本部の提言は信頼関係を壊しかねない」
小池氏がIOC会長を「説得」するのは一筋縄ではいかず、森氏が暗躍することもなく決着する可能性もあるのだ。
一方、「女性総理の椅子」を争う、“ライバル”の稲田朋美防衛相(57)は、国会で野党から標的にされて総スカン状態。
民進党の辻元清美議員(56)に、終戦記念日の8月15日に全国戦没者追悼式を欠席したことを追及されると、国会で涙ぐむ一幕があった。10月5日の参院予算委員会でも、「防衛費」を「軍事費」、「中国漁船」を「中国公船」と言い間違えてしまった。
「臨時国会が始まる前から、野党は『ポスト安倍』と言われる稲田さんの狙い撃ちを決めていた。雑誌やテレビでの過去の発言を集めたり、知り合いの記者に『稲田さんの情報知らない? 何かあったら教えて』と、露骨に質問する民進党議員もいました」(政治部記者)
稲田氏が答弁にしどろもどろになり、審議が再三にわたって中断すると、安倍総理が代わって答弁に立つ一幕もたびたびあった。
「防衛官僚も早く防衛政策に精通してもらうため、わかりやすく資料を作るなど、サポート態勢を強化しています」(防衛省関係者)
稲田氏は合間に防衛関連の資料を読み込んでいるが、答弁で間違えずに話せるレベルではないという。
「これまで保守政治家として、ハッキリしたものの言い方をしないと支持が集まらなかったので、時には過激な発言をしていました。防衛大臣になると、国会では思っていても言えないことがあり、葛藤しているように見えます」(五味氏)
10月6日の参院予算委員会で、共産党・小池晃書記局長(56)から、白紙で受け取った領収書にあとから金額を記入したことを追及された。まさに崖っぷちに追い込まれている状態なのだ。