党内をまとめられず苦戦を強いられている蓮舫氏だが、「時の人」小池氏にすり寄る作戦もうまくいっていないようだ。9月19日に池袋で行った街頭演説では、小池氏をこう“ヨイショ”した。
「報道レポーターを目指していた頃、『笑っていればいい』と言われた時代に、1人で経済キャスターをしていて、『こういう先輩がいるんだ』と思っていた」
その4日後に開かれた小池氏との直接会談でも笑顔を振りまいたのだが‥‥。
「五輪関連予算について、『メスを入れるのであれば協力させてください!』とタッグを申し出たものの、小池氏は曖昧な返事。今の小池氏が民進党に手伝ってもらう必要は特になく、一定の距離を置いていました」(政治部記者)
「小池新党」が誕生した時に、野党協力を見据えていたのかもしれないが、思惑どおりにはいかなかったようだ。それどころか、来年1月と言われる「解散総選挙」で蓮舫体制が短命に終わる可能性も出てきた。
「10月の補選で大敗して、1月の衆院選も議席を減らせば、民進党の存在意義が問われる。蓮舫氏が代表になってから、党を離れたいと周囲に話す議員もいて、永田町では『選挙後に分裂するかもしれない』という声が聞こえています」(政治部デスク)
早くも正念場を迎える蓮舫氏を尻目に、小池氏は補選告示の前日、福岡6区の応援に現れ、鳩山邦夫氏(故人)の次男・鳩山二郎氏(37)のために街頭演説を行っていた。
福岡6区は自民系が分裂する異例の選挙区。福岡県政の「ドン」と呼ばれる、蔵内勇夫県議(62)の長男・蔵内謙氏(35)が対立候補として出馬し、どちらかが当選した場合、自民党が公認する方針だという。これから本格的に議席を巡る争いが激しくなる直前、ある「事件」が起きていた。地元記者がこう話す。
「小池氏が街頭演説する数時間前に、突然、蔵内勇夫氏が県連会長を辞任しました。表向きは公認を得られずに分裂選挙になったことを理由にあげていますが、自分の息子が選挙に敗れたあとに辞任したら、『小池に屈服したから辞めた』というレッテルを貼られてしまう。それを避けるために決断を早めたと言われています」
都連ばかりか、福岡の「ドン」も、小池氏との対立を避けた。10月18日には、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(62)と会談。
小池氏と東京五輪といえば、9月29日に文部科学省で調整会議が開かれ、競技施設の中止を含めた費用見直し案を巡って、大会組織委員会の森喜朗会長(79)と「犬猿バトル」が勃発。その第2ラウンドとして注目されているのだ。