料理愛好家・平野レミ(70)が注目を集めている。マイペースなふるまいが視聴者にはバカウケのようだが、撮影現場からはスタッフたちが少々困惑している様子も伝わってきた。
平野といえば、テンションの高い早口と独創的なレシピで、従来の料理番組の常識を覆している。
14年には、ネット上で「神回」あるいは「放送事故」とも呼ばれた彼女の出演番組があった。
「NHKの生放送『あさイチ』の料理コーナーで、ブロッコリーをまるごと1本ゆで、そこにオリジナルのたらこソースをかけただけという斬新な料理を披露したんです。しかも盛り付けの際に、皿にドカッと立てたブロッコリーが倒れるハプニングが発生。それをきっかけに、“レミ伝説”が始まりました」(テレビウオッチャー)
あれから2年半。3月で古希を迎えたが、ますます強烈なキャラクターに磨きがかかり、自由奔放ぶりはとどまるところを知らない。実は、その伝説のブロッコリー料理も、カプセルトイ(ガチャガチャ)になって今月から発売された。
2月に放送された「マツコの知らない世界」(TBS系)では、トマトジュースと牛乳、バジルを混ぜ、そこにちくわを挿した“5秒ビシソワーズ”をアドリブで完成させた。試食したマツコに「おいしいんだけど、どこか悲しくなる」とまで言わせたものだ。
さて、常にマイペースを貫く平野は収録現場でもその姿勢を変えないという。
「実は、手の甲のシワが気になるということで、アップで映さないよう注文してくるんです。料理番組だから、どうしても手元は映さなければいけないでしょう? カメラマン泣かせですよ」(料理番組スタッフ)
もちろん「自由奔放」は彼女の魅力の一つでもあるが、暴走過多でスタッフは苦労の連続だという。
「アシスタントを務める女子アナが彼女にクイズを出す予定だったんですが、何を思ったかレミさんがクイズを出題する側に回ってしまい、ちょっとした混乱状態になったこともある。事前に段取りをきちんと確認してくれないんですよ。現場が盛り上がるぶんにはいいですけど、料理を作る過程は丁寧に視聴者に見せなきゃいけないのに、やりたい放題。シーンの辻褄が合わなくなるケースもあるから、編集する時にどうつなげればいいのか悩みます」(前出・料理番組スタッフ)
あくまで料理番組なのだから、自由さだけが求められるわけではない。とはいえ、芸能評論家の市川大介氏は言う。
「予定調和の増えたテレビ界にあって、ハラハラさせられるハプニング性は貴重です。しかも彼女のスタイルは昔から変わらず、“料理は難しく考えず楽しんで”というメッセージも伝わってくるから主婦層を中心に支持されるのでしょう」
ところで、プライベートでは長男・唱(40)の嫁である女優・上野樹里(30)との不仲説がたびたびささやかれたが、嫁に「言うことなし」とお墨付きを与え、あくまで良好な関係をアピールしている。平野の扱いに困ったら、上野に聞くべきかもしれない。