地震前兆研究家の百瀬直也氏が語る。
「今年5月22日に千葉県館山市沖でメガマウスが捕獲されましたが、地震の前兆として着目される深海魚や深海鮫の中でも、特にこのメガマウスの動向は要注意です。過去の事例としては、阪神・淡路大震災(95年)の1カ月半前に静岡県沖で、福岡県西方沖地震(05年)の2カ月前に三重県沖で捕獲されています。捕獲後2カ月間はM7クラスの大地震を警戒すべきです」
さらに、木村氏はかねてからこの「伊豆・小笠原沖地震」の発生時期を12年の前後5年間と主張し、今年はその最終年に当たる。Xデーが刻々と迫る中、陸地から離れた海底地震といって油断はできない。
「1930年に北伊豆地震という直下型の地震があり、それとの関係が疑われている。震源は伊豆半島北部の函南町丹那盆地付近。M7.3で272名の死者・行方不明者を出しました。震源に近い三島では震度6を記録しました」(島村氏)
沼津や横浜、横須賀でも震度5を記録したという。
11月26日に発生したこの大地震においても、“前兆現象”が確認されていた。同年2月13日から4月10日まで伊東沖で群発地震が続いたのである。その後、いったん終息した前震と見られる揺れは、同年11月7日に再開。本震発生前日の11月25日までに2200回を数えた。さる地震研究者が言う。
「伊豆・相模地域の直下型地震が起こる前には、必ず伊豆大島近海で前兆現象が見られる。伊東沖の群発地震も大地震の前兆現象ではないか」
気象庁の地震情報によると、今年6月に入ってから伊豆大島沖で12回の地震を観測。いずれも震度1~2の小さな地震だが、不気味さは募るばかりだ。
「大地震が発生する前には中規模の地震があちこちで散らばるように発生します。1923年の関東大震災の前年から三浦半島南部や茨城県沖でM6クラスの地震が頻発していました。そして今年に入ってから、福島県沖や豊後(ぶんご)水道で震度5以上の地震が発生しています。これら広範囲で起きた地震は、太平洋プレートのプレッシャーによって生じた巨大なひずみが影響しているのではないでしょうか」(別の地震研究者)
折しも、6月25日には長野で震度5強の直下型地震が発生した。
「この地震は火山性とも、中央構造線が近いことから、中央構造線絡みとも取れます。中央構造線は熊本地震で活性化していますからね。中央構造線は都内など首都圏にまで達していると言われますが、もしそうなら首都圏で直下型地震が起きるかもしれない。首都圏は堆積物が多いため、はっきりしないかもしれませんが、この際、きっちりと調査すべきです」(前出・島村氏)
富士山噴火ばかりか首都直下地震の前兆まで露呈したが、3年後の東京オリンピックが無事に開催されることを祈るばかりだ。