それにしても、中畑氏がこれほどまでに熱い球界への本音を吐露する機会が減ってしまったのには、ワケがある。実は、球界では次期巨人監督候補の最右翼と見られていることが影響しているのではないか、とささやかれているのだ。
「05年オフ、当時の堀内恒夫監督(69)の後任選びが世間を騒がしていた中、巨人から監督候補としての意思確認を受けていたといいます。これを中畑氏は『内定』と捉え、親しい人間にコーチを依頼する『組閣』を始めた。これが球団幹部に伝わり、破談になった過去があるだけに慎重を期しているのでしょう。実際、江川卓氏らとともに、監督候補に名を連ねているのは間違いない」(球界OB)
講演会の最中には、たびたび巨人復帰に関する質問が飛び交う一幕も。先の阿部の父親に対しても、「今、ジャイアンツに呼ばれたら行っていい?」と冗談めかして発言しただけでなく、質疑応答で観客からも巨人監督就任を要請されるや、つい本音を告白。
「僕はね、ジャイアンツの監督が最後ではないし、もう野球界に恩返ししたいだけ。この年になったら、もう若いヤツがやっていくほうが絶対いい。監督もね」
と言葉を濁していた。別の聴衆が振り返る。
「質疑応答で『4年ほど監督をやって阿部慎之助(の監督就任)に橋渡ししてほしい』との提言があった。この時ばかりはつい口元がほころんで、『巨人軍のオーナーなの? そしたら話は早いけどさぁ(笑)』と終始ご満悦の様子でした」
ただ、巨人OBの中でも「KKコンビ」については、手厳しい言葉が相次いだという。
「観客から五輪監督に桑田真澄氏(49)の名前をあげられるや、『あんなに言い切るバカ、どこにいるんだ。努力することはくだらないとか、肩は消耗品だとか、スイング1000本させたらダメだとか。楽して勝つ野球ばっかり教えていては、どこでも成功しない』と断言。さらには選手の育成に触れて、『清原を作ってはダメ』とぴしゃりと言い放っていました」(聴衆の一人)
最後は満足げに、中畑氏の十八番である長渕剛の「幸せになろうよ」を含む3曲を熱唱し、幕を引いたという。まさに「清オンステージ」だった。
「中畑氏も自嘲気味に今や張本氏と『喝』が言えるご意見番だと宣言していましたが、それだけの実績があるがゆえのこと」(聴衆の一人)
まさに言いたい放題で終わった極秘講演会。過激な大放言で、ぜひ球界を盛り上げてもらいたいものだ。