前DeNA監督の中畑清氏といえば、万年Bクラスだったチームの意識改革をする一方、絶不調の巨人の後任監督にもあがるなど、その発言に注目が集まっている。そんなやさき、参加者限定の講演会に中畑氏が登壇。由伸巨人の采配から東京五輪問題まで“大放言”を繰り広げたのだ。
「ジャイアンツは人気の上であぐらをかいている昔の体質がいまだに変わらない。(この巨人の姿勢が)野球離れにつながっている」
と、約100名の聴衆を前に、まるで采配を振るがごとく熱弁したのは、前DeNA監督の中畑清氏(63)である。
中畑氏といえば、言わずと知れた巨人の大物OB。かつては巨人軍の主軸選手として、原辰徳氏(58)らとともに、80年代の黄金期を支えてきただけに、その発言には、OBならではの叱咤激励が込められているのだ。
6月29日、千葉県内のホテルで開催された、企業経営者らを対象としたトークショーに講師として招かれた中畑氏は上機嫌で、この日も「絶好調」だった。
名前こそあげなかったものの、古巣の高橋由伸監督(42)にも容赦ない“口撃”を浴びせる。16年6月7日の西武戦で、「5番DH」で起用した阿部慎之助(38)に対してバントを命じた“事件”があった。その目論見は結果として成功したものの、「巨人の主砲がバントをした」ことに中畑氏は舌鋒鋭く迫った。
「4億、5億もらってる選手(阿部)に送りバントさせるか? そんな役にしてどうするんだ。バカじゃないか! この野球をやり続けるジャイアンツの姿があって、どんどんどんどん、ファン離れしていく部分が多分にあるんじゃないか! そんな野球で勝って、何で大称賛するんだよ? 高校野球の延長でしょ。ジャイアンツの野球の姿勢を何と心得ているのか。王道を行かなきゃいけない。何でそんなスモール野球をやらなきゃいけないのか」
この熱弁に、客席からも思わず拍手が湧き起こったという。
「その後、今シーズンの巨人の13連敗を引き合いに、15年のDeNAの12連敗を語っていましたが、中畑さんは選手に『クビや負けの責任は俺が取るから。胸張ってプレーしてくれよ。その姿勢がファンの明日への応援につながる。いつか勝てる』と励ましていた、と明かしていました。敗戦の責任を選手に押しつける今の巨人とは大違いです。弱いからこそ、巨人の監督に就任してほしいと感じました」(会場にいた聴衆の一人)
世間も認める大物OBの発言だけに、その意味も重いものがある。