「私をサイにしてくれると…」
緑あふれる庭を望む和室に、日本髪で夏物の和服を着て座る人気グラドルの久松郁実が『キュートな声』で、こう訴えた。ふいに現れた彼女に驚いたのは、僧侶役に扮したお笑いコンビ・バイきんぐの小峠英二だ。NHKで8月14日に放送された「超入門!落語THE MOVIE」で再現された古典落語の演目「茄子娘」の一場面だ。
「この番組は、古典落語を映像化し、落語家の話に合わせてセットを組んで役者が口パクで演技し、映画のように見せるという趣向です。だから久松の声も落語家が、演目に登場する女性の声色を使っているわけですが、弁士がついた無声映画のようで独特の味わいがある。この『茄子娘』は小峠扮する茄子を育てるのが趣味の僧侶のもとに、ある夜、久松扮する『茄子の精』がお礼に現れる、というふうに話が展開していきます」(テレビ誌記者)
そして、冒頭の久松のセリフ(実際には落語家の声)に続くのだ。
「僧侶が茄子を育てて菜(サイ)にすると言っていたのを妻(サイ)と聞き間違えて茄子の精が現れたというわけです。この後僧侶は、誤解であることを茄子の精に伝えるが、せっかく現れたからと肩を揉んでもらう。ところがそこで雷が鳴り、怖がった茄子の精が僧侶の前に回ってそのひざに倒れ掛かるように抱きつく。で、小峠の顔のアップと久松の裾が乱れた美脚が交互に映るんですが、久松の太股から脚の付け根のほうまでアップにされ、実に艶っぽいんですよ」(前出・テレビ誌記者)
一方、欲情した小峠の表情は、変にニヤつくでもなく、おいしいものを目の前にしたような表情が実にリアル。破局後に艶系DVDに出演した元恋人の坂口杏里にも、こんな表情を見せていたのかと想像させる。
「やがて小峠は久松にそのまま倒れこんで、場面は切り替わる。ですが、話が進むと、この時、茄子の精に子供が宿ったことがわかる展開になるんです」(前出・テレビ誌記者)
最近は艶っぽい話題を情報・報道番組で扱うことも少なくないNHKの「進化」には、今後も期待したい。