8月19日放送の「ブラタモリ」(NHK)に驚きと羨望の声が上がっている。この回はタモリら出演者が埼玉県の長瀞を訪れ、「なぜ長瀞は人を引きつけるのか?」に迫った。観光スポットである岩畳がなぜ生まれたのか、名物「天然氷のかき氷」のおいしさの秘密を探り、観光の発展に貢献した蒸気機関車を紹介した。
「蒸気機関車の場面でタモリと近江友里恵アナは運転席に入り、SLの走りを体験しました。これに驚きの声が上がっているんです。というのも、スイッチぽんで走り出す電車と違って、SLは動かすまでに多くの準備を必要とするからなんです」(週刊誌記者)
蒸気を動力とするSLはまず石炭を燃やしてボイラーを温め、水蒸気を作らなければ始まらない。十分な蒸気ができるには数時間はかかる。蒸気ができたら車体各部を数人が何度もチェックして出庫点検を行い、やっと発車。それだけの作業をしてでもタモリを乗せたかったということだろう。
「タモリが乗ったのは秩父鉄道が所有するC58型363号機です。実はこの蒸気機関車は古いこともあって調子が今ひとつなので、機関士たちは壊さないよう大事に動かしています。何しろ鉄道ファンの間で『秩父は煙を吐かない』というのが定説になっているほどなんです。盛大に煙を吐いたほうがお客は喜びますが、そのぶん機関車に負担がかかりますからね。いい宣伝になるとはいえ、そこまで大事にしているC58をわざわざ動かしたことにファンは驚いているんです」(鉄道ライター)
「ブラタモリ」に出演することを決めた際、タモリはNHKに対してギャラは少なくてもいいからNHKの力がないと行けない場所や見られないものを体験させてほしいとリクエストしたという。その願いがまさに叶えられたワンシーンと言えよう。