「枯れ専ブーム」にも乗り切れない悲しき団塊ジュニア世代諸兄! 我々と同じような加齢臭を漂わせながらも、ひと世代上の50代オヤジがモテる理由は「くたびれた色香」に他ならない。市川紗椰と付き合っているフジテレビの野島卓アナなど、その典型だろう。
では、彼らに対抗する術はないのか。ある。我らが親世代にあたる団塊の先輩方が遺してくれたレガシー、「オヤジギャグ」である。日常会話にしれっと投下する脱力感漂わせる独特のお笑い感覚は、枯れ専ならずとも女子の心を捉えて離さないはずだ。
「同期の男が千鳥のギャグ『クセがすごい』を連呼していてイラっときていたところに、40代の上司が書類の不備を他部署に指摘され『あじゃぱー』って。思わず笑っちゃって、その後なぜか幸せな気持ちになりました」(28歳・広告)
流行のお笑い芸人のギャグは使いどころが難しいうえに、賞味期限も短い。ところがオヤジギャグは、必要のない人には聞き流され、ハマる人にはハマる。また、使い込むほど味が出る。お決まりであるがゆえ、周囲は「また出たよ!」と思いつつ、知らずのうちに心を緩ませている。そんな実用的なオヤジギャグをピックアップしてみた。
●ヤジャー/「ラジャー」とかけて、キッパリお断り。面倒な依頼は断りづらいものだが、思いっきり明るく言うのがベター。「ちょっとコレやって」「ヤジャー!」
●テクシー/タクシーに乗らず、テクテク歩くこと。タクシー代をケチっているわけじゃない、健康志向なんだと言い張ろう。
●よっこいしょういち/よっこいしょ+横井庄一の合わせ技。最近の若者は横井庄一を知らない恐れがあるが、オリジナルギャグだと思ってくれればバッチグー。
●モチのロンだ/「もちろん」を小気味よく響かせる。余計な文字を足すことで、日本人好みのリズムを生み出した傑作。「アイムソーリー・ヒゲソーリー」と併せて使いたい。
●日光の手前/宇都宮駅から日光駅を結ぶJR日光線の日光駅のひと駅前が「今市駅」。つまりは「イマイチ」の意。ヒネリが効いているうえに知的だ。
●二度目まして/2度目に会う人に対して、「はじめまして」のイントネーションでさらっと。事実を言っているだけなのに、なんとも可笑しい。相手には、前に一度会っていることを覚えているというアピールにもなる。
●宴も高輪プリンスホテル/酒席の締めに「宴もたけなわ」の要領で。言葉の尺とリズムが最高。漂うバブリー感もグッド。
●めんごめんご/事の重大さを極限まで軽くする魔法の言葉。ついつい許したくなる?
いまから10年前。2007年に(当時の)定年を迎えた団塊世代の愛すべき遺産「オヤジギャグ」。この灯火を絶やすことのないよう、同僚との連携を心掛けながら実践したい。自分だけウケようとせず、「先輩、これはソーダですか?」(そーだ!)、「このイス、座っていいですか?」(イーッス!)といった絶妙なパス技術を磨こう。そしてお互いを「◯◯選手」と呼び合い、「◯◯選手、これ頼むよ!」「ヤジャー!」といった連携プレーを難なく決めていけば、枯れ専女子だけじゃなく、BL好きの女性社員からも一目置かれる存在になること請け合いだ(?)。