ゆとり教育を受けて育ち、良く言えば「堅実で高望みをしない」。悪く言えば「物事に欲も関心もなく、淡白」。無駄な努力や非効率を嫌う、悟りきったような価値観を持っている、いわゆる「さとり世代」。
すっかりオヤジになってしまった「団塊ジュニア世代」にしてみれば、その言動は驚きの連続でしかない。バブルの恩恵を受けることができず、景気も緩やかに落ち込んでいく中で、少しでも人生を面白くすることに躍起になっていた志向とは、あまりに隔絶の感がある。
「『とりあえず、これやっといて』と上司に言われた時に『とりあえずって何ですか?』と切り返し、続けざま『帰っていいですか?』と言い放った若手に驚いた」(36歳・広告)
「上司に『ちょっといい??』と聞かれ、平然と『今、忙しいので無理っす!』と返事した新人がいた」(39歳・番組制作会社)
大手企業勤務の36~45歳を対象に行ったアンケートには、呆れる声が寄せられている。「とりあえずって何ですか?」という上司への反応に驚いた前出の36歳男性は、こう続けている。
「私の解釈では『とりあえず』というのは、『まだ経験もない君に成果は期待しないから、勉強だと思ってやってくれ』ということだと思うんです。わかったような気になって、言葉通りにしか受け取れないのだから情けない。言葉にしない部分を理解しあえる関係になるからこそ、簡単には交代のきかない、職場に欠かせない人になれるというのに」
嘆きの声ももっともだ。また、仕事終わりの居酒屋でのこんな発言も。
「同席した若手が、その居酒屋で唐揚げとフライドポテトしか食べようとしないので理由を聞いてみたら『人が作ったものより、機械が作ったものの方がいい』と言うんです。何でも、コンビニやファストフードにもあるようなメニューしか食べられないそうで、驚きましたよ」(42歳・商社)
彼らが「真に悟る」ことができれば、世の中が少し良くなるのだろうか?最後にこの回答をご紹介しよう。
「今の若者がこの調子なら、自分が定年を迎えた後も確実に何かしら仕事を続けられる」(38歳・自動車メーカー)