今年の夏はスカッとした真夏日が少ないのに、凄まじい蒸し暑さに悩まされてきた。かと思えば梅雨に戻ったのではと思わせる天気が続き、体力の消耗がひどい。しかし夏のお馴染みのあの食べ物が効果抜群だと言う。
夏の野菜を代表するトウモロコシ。生産量は毎年全国で約25万トンだが、このうちの約半分の生産量を占めるのが北海道。中でも十勝平野のほぼ中央に位置する芽室町は面積・生産量とも日本一の産地。JAめむろは「十勝めむろのスイートコーン」を“最高のスイートコーン”と自慢しているが、健康効果についてもこう強調している。
「スイートコーンの主な成分は炭水化物で、ビタミン・ミネラルなどの栄養成分もバランスよく含まれている。スイートコーンの糖質は消化吸収が早く、夏場のエネルギー補給や疲労回復にも効果的。また、食物繊維も多く含まれているので、便秘の改善にも最適です」
これを裏付けるように料理教室を運営している川田節子管理栄養士が言う。
「糖質が多く含まれていて、消化吸収が非常に良いので、夏バテで食欲がない時や胃腸の調子が悪い時などには、すりつぶしてスープにすると栄養補給ができる。また、アスパラギン酸も含まれていて、エネルギー代謝を良くして、疲労に対する抵抗力を高めてくれる。他にもビタミンB1、B2、B6、カリウム、食物繊維も豊富で疲労回復には最適です」
さらにトウモロコシの効能を高める方法として、みんなが捨てているあのトウモロコシのひげをお茶にして飲むのだという。勧めるのは韓国人料理家の朴英姫さん。
「トウモロコシは、粒の部分だけでなく、茎や葉、軸や皮に至るまで、栄養豊富な食べ物。特にとうもろこしのひげをお茶にしてのむとよい。利尿作用があり、血圧、血糖値を下げる効果が期待できる。韓国ではよく飲んでいます」
作り方も簡単。トウモロコシのひげをとり、洗ったら1日天日干しする。次にこのひげをフライパンで弱火で乾煎りし、焦げ茶色になったらできあがり。このひげを、お茶パックなどに入れて熱湯を注ぎ、15分ほど蒸して飲む。好みで生姜やレモン汁、ハチミツ、メープルシロップなどを入れて飲んでもいい。ひげ茶を作るのが面倒な方は韓国食材売り場などで求めてもいいだろう。簡単にできるのがいい。
(谷川渓)