しかもここにきて、帰化に難色を示していた白鵬の父親も態度を軟化させたことで、白鵬を取り巻く環境は大きく変わろうとしている。
「今年になって父親が『自分の人生を歩め!』と、白鵬の迷いを消してくれたようです。ここ数年でモンゴル国内の帰化に対する制度が緩和されたことも理由の一つと見られてます」(スポーツ紙デスク)
国籍問題がクリアされれば、引退後の“白鵬部屋”設立には何の障害もない。ベテラン記者が話す。
「所属力士は、幕内の人気力士の石浦や十両の山口らは決定的と言っていいでしょう。5年後に定年を迎える宮城野親方しだいでは、部屋をそのまま継承することも考えられますが、時期については微妙です。実は『(部屋は)今までに誰も構えていない場所に持ってみたい』と、水面下でタニマチ筋と夢を描いているようで、東京のど真ん中、銀座に部屋を興すという壮大なプランが上っているとの話も伝わってきています。現在の住居がある汐留から近いし、銀座には歌舞伎座もあり、日本の伝統文化の共存繁栄につながると考えているようです」
すでに、試金石として白鵬の“育ての親”が銀座に白鵬の名前を冠したちゃんこ店を開くなど、部屋設立に向けての準備も万端のようなのだ。
「昨年1月に銀座にちゃんこ店『鵬』という店が開店したのですが、店長の岩崎悟さん(52)は『岩海』のしこ名で宮城野部屋に在籍し、ちゃんこ番を長年にわたって務めただけでなく、98年の引退後は部屋のマネージャーとして女将さんを補佐し、経理面でも手腕を発揮して屋台骨を支えた人物です。入門時に体が小さかった白鵬にとっては、食の面からも助言をもらい、父親のような存在だっただけに、広告塔として頻繁に白鵬自身も利用しているようです」(角界関係者)
店内には白鵬の写真が飾られ、料理のコースも「白」「鵬」「翔」「横綱」の4つと、白鵬一色の店だという。角界関係者がさらに続ける。
「宮城野部屋の後援者だけでなく、白鵬自身もよく来店。時には番記者を集めることもあります。銀座という場所柄か、1人1万円の会計なんてこともあり、記者泣かせの囲み取材が開かれているようですよ(苦笑)」
とかくサイドビジネスでも注目を集めるモンゴル出身力士だが、「平成の大横綱」は相撲の取り口同様、芸能プロ設立や大物ブレーンの起用という、手堅い商売で「勝ち星」を重ねそうな勢いなのだ。