白鵬もさることながら、引退後は相撲協会に残ると見られていた琴奨菊と豊ノ島がそろってタレント転身すると言われる裏側には、それなりの理由があるという。ベテラン記者がこう話す。
「豊ノ島の最高位は12年5月場所の東の関脇で、その翌年に年寄名跡『錦島』を取得していた。ところが、今年4月に引退した朝赤龍が『錦島』を所有していることが相撲協会のホームページで判明したんです。理由はギャンブルが原因で譲渡したとの声がもっぱらですが、いずれにしても引退後はタレントに転身すると見られてます。一方の琴奨菊は13年に年寄名跡『秀ノ山』を取得済みですが、こちらも引退の時に手放すだろうと言われてます。やはり、あの13年の婚約不履行騒動がネックですね。披露宴の招待状まで発送したあとの大騒動だっただけに佐渡ヶ嶽親方への不義理は消えないし、部屋付き親方はむろん、角界に残ることさえも厳しそうです」
実際、近藤氏と豊ノ島、琴奨菊は旧知の間柄。第二の人生をスタートさせるには、格好の“拠点”と言えそうだ。民放局プロデューサーによれば、
「白鵬の公式ブログの下には『ちゃんこ屋鈴木ちゃん』へのリンクがあるが、この『鈴木ちゃん』こそ、放送作家の鈴木おさむ氏が経営するちゃんこ店のこと。時間があれば、近藤氏も店の手伝いをするなど親しい関係です。この店は宮城野部屋でちゃんこ番をしていた鈴木昌平氏が料理長を務めていて、『SMAP×SMAP』などの大ヒット番組を手がけてきた人気放送作家の鈴木氏がその腕と味にほれ込んで完全バックアップしています。そのきっかけになったのが、12年に白鵬、琴奨菊、豊ノ島らと囲んだ鍋会で、いわば“白鵬グループ”のたまり場になっています」
白鵬と「芸能プロ設立のキーマン」である鈴木氏の関係は、単なる飲み仲間としてだけでなく、ビジネスパートナーとしての側面も見逃せない。白鵬は10年にみずからが大会名誉会長を務める子供相撲大会『白鵬杯』をスタートさせているが、14年の大会からは、鈴木氏が総合プロデューサーを担当し、近藤氏の芸能プロが大会を運営。二人三脚で大成功を収めたという。角界関係者が証言する。
「第4回白鵬杯は念願の両国国技館での開催でした。かつて人気絶頂時の朝青龍が冠イベントを開いた際はかなりの空席でしたが、白鵬がポケットマネーで参加者の交通費を捻出したり、子供たちが負けたあとも楽しめるようなブースを設けるなど、さまざまな工夫があって大成功でした。相撲界は協会による巡業イベントこそありますが、海外の観光客が増え続ける今、場所中のOB力士による相撲教室だったり、祭りや花火大会にゲスト出演するだけでも観客増員、収益アップにつながりそうです。そこに白鵬と鈴木氏のコンビが絡めばなおさらでしょう」
現在、相撲界では力士の副業は内規で禁止されているが、白鵬は引退後をにらんだビジネス展開を着々と進めているようなのだ。