10月26日に囲碁・将棋チャンネルで放送された「第26期銀河戦」で、本戦トーナメントのブロック1回戦で藤倉勇樹五段に111手で勝利を収めた藤井聡太四段。高校に進学せずに将棋の道へ邁進するのか、進学して学業との両立を図るのか、将棋界からのみならず、大きく注目を集めていたが10月月25日、高校に進学することが明らかになった。
「藤井四段が通う名古屋大学教育学部付属中学校は国立で、中高一貫教育のため、エスカレーター式に進学することができます。藤井四段自身は『すべてのことをプラスにする気持ちで、これからも進んでいきたいです』と進学についてコメントしています」(スポーツ紙デスク)
これに対して将棋界の大先輩にあたる“ひふみん”こと加藤一二三九段は、Twitterで「聡太さん応援してます!」と激励コメントをアップ。羽生善治棋聖の妻で元女優の理恵夫人も、Twitterで「藤井聡太先生の高校進学は、主人も喜んでおりました。(中略)おおらかにスクスク伸びゆく姿、楽しみにしています」とお祝いの言葉を贈った。
しかし、この藤井四段の進学について、ネットでは「藤井聡太が高校に行かずとも、教養を自主的に得られる人間なら、行かなくてよいと思うが」など、反対の意見も多数みられる。前出のスポーツ紙記者も疑問を呈する一人だ。
「対局はほとんどが東京で行われますが、藤井四段が住むのは愛知県と東京から遠く、対局は大会によっては週に2回にまたがることも多い。中間テストや期末のテストのことも考えると、なかなか厳しいのが現実。将棋連盟は、以前から藤井四段のために、本来平日に行われる対局を土日に行うことも検討しているといっていますがどうなることやら…」
そんな中、こんな指摘もある。
「藤井四段と同じく中学生でプロ棋士になった谷川九段ら4人は、いずれも高校に進学して大成しています。もし忙しくなるようなら、羽生棋聖のように通信制に転校して卒業したっていい。藤井四段には屋敷伸之五段が18歳6カ月で達成した史上最年少タイトル記録を、ぜひ破って欲しいものですね」(将棋専門誌記者)
羽生棋聖の妻である理恵夫人が「主人が喜んでいる」とメッセージを贈ったのも、自身の経験に照らしてのことだったと思われる。果たして「文棋両道」となるか。これからの活躍がますます楽しみだ。
(窪田史郎)