殿が出演をされた、日本の漫画「攻殻機動隊」を原作としたハリウッド超大作「ゴースト・イン・ザ・シェル」。
で、公開に先立ち、主演を務めたスカーレット・ヨハンソンと共に都内で開催されたプレミアイベントに参加した殿は、通訳を介し、
「今まで実写版はあまり成功したことがないような気がします。しかし今回はかなりのレベル」
と、太鼓判を押す発言をしていました。
が、そこで終わらないのが殿です。すぐさま、
「私にとって感謝感激で、この喜びをきっかけに、○○に戻りたいと思います」
と、この時期、何かと騒がれていた、某宗教団体の名前を口にし、周囲をどっとわかせ、軽く困惑もさせていました。ちなみに後日、
「あれよ、ただボケて言ったのに通訳が真面目に通訳しだしたから焦ったよ」
と、笑っていました。
それはさておき、絶賛公開中のこちらのハリウッド映画。殿は撮影期間中、わたくしたち弟子に、その興味津々な撮影エピソードをマメに語っていました。
そんな“たけちゃんのハリウッド撮影秘話”は、現地へ向かう飛行機の中から始まります。何でも、直行便では行けない、撮影スタジオのある某国へ向かうため、途中で乗り換えた飛行機が思ったより小さかったそうで、
「一応、席はファーストなんだけどよ、席が4つぐらいしかなくてやたら狭いんだよ。それで席をフルフラットにして寝ると狭いから何だかマヌケでよ。『俺たちはパーシャル冷凍で運ばれてるマグロか!』って思ったよ」
そして、もっとも興味のある現地の撮影といえば、
「英語覚えるのが大変だから、いくつかカンぺにしてもらったんだけどよ。1回あれだな、カンぺ置くとこなくて、俺の正面でスカーレット・ヨハンソンがカンペ持って立ってたな。あいつなかなかいい子だな」
ギャラがウン10億ともいわれる、ハリウッド女優にカンぺを持たせるとは、なかなかぜいたくな撮影です。で、帰りの飛行機では、
「また帰りにあの狭い飛行機のファースト乗ったらよ、となりのヤツが絶えず“寝っぺ”してんだよ。もう、うるせーわ、臭せーわで地獄だったよ」
このように、もろもろ撮影体験をネタにして面白おかしく語っていた殿でしたが、やはり、ハリウッド大作に出演したことは大変うれしかったようで、最近はことあるごとに、
「これよ、普通にヒットしたら続編もあるだろうな」
と、“もし、次があるなら再オファーがあるだろう”的な発言をするのです。
そんな殿のお気持ちを察し、「殿、スピンオフ作品として、殿がやられた荒巻(役名)が主役の、『荒巻物語』もあるんじゃないですか」と、何の根拠もないのに強く言い切ったわたくしに、
「なんでそんな『次郎物語』みてーなのをハリウッドがやるんだよ! あるわけねーだろ!」
と、さすがに冷静にツッコむ、殿なのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!